社会福祉法人 あおぞら共生会
社会福祉法人 あおぞら共生会 - 川崎市川崎区京町

  トップページ

  最新記事一覧


202512
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      



あおぞらブログ


【明石邦彦のつぶやき】組織運営における基本的な法則とは 2025/12/17
 組織を運営する時やプロジェクトを立ち上げる時に世の中には一般的な法則があるのを踏まえて事に当たる方がよいと思っている。マネジメントを司る人たちは一応常識だとして運営にあたるべきだろう。特に、人の評価や時間管理については心得ておかなければならないことである。今の組織を見てみると会社勤めをしていた時から注目していたピーターの法則が如実に見られるケースもあるし、時間生産性を考える時には心得ておかなければならないいくつかの法則がある。自分がトップに立ったときには直接的に表現すると恐れ多いので、婉曲な表現で対応していたが、これらの法則はそれなりの評価をしていたものである。
 さて、ピーターの法則から時間管理までの法則をいくつかを拾い上げてまとめてみた。タスクフォースで働き方改革などをやる場合、少しは人間の性(さが)を理解しながら歯止めを打たないといつまでも先送りになってしまうことになる。
以下、法則を並べてみた。
①ピーターの法則
「組織の構成員が自己の能力を進展させ続けなければ、組織はいずれ無能化していき、機能不全を起こす」という法則だ。
この法則をまとめると3つになる。
・能力主義の階層社会では、人間の能力の極限まで出世する。従って、有能な平構成員は無能な中間管理職になる。
・無能な人はそのポジションに留まり、有能な人は限界まで出世するが、そのポジションで無能化する。
・その組織における仕事は、まだ出世の余地がある人間によって遂行される

 このように時間が経過するにしたがって組織は無能化するといわれている。対策として昇進させずに、昇給のみを行う場合と、昇進前に訓練する場合がある。また、極端な場合、昇進後、無能と判定されると降格処分にする方法もあるとされている。案外ドラスティックな処置も行われるものだと感心する。職務規定の変更も考えていないと組織は持たないと思われる。
 また、組織に無能な人が山積しないように個人が心掛けておかなければならないことも一般例として取り上げられ、自分がその範疇にならないように研鑽・努力している人も多いことだろう。

②ディルバートの法則
これはピーターの法則の変形である。「無能な者は害をなさないように意図的に昇進させられる」とある。上層部は実質の生産には関与していないので、下層部の人が生産的な仕事をしている構図となる。欧米なら「即刻、首」を言い渡されるはずだが。

③パーキンソンの法則
法則は2つある。
・第1の法則:仕事の量は完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する。
・第2の法則:支出の額は収入の額に達するまで膨張する。
この法則は人間の心理に基づいたものだ。例えば、早く帰る必要がない限り、残業が常態化してしまうことにもつながっている。残業の原因は仕事が多いからとは限らず、残業ができるからこそ、無駄な仕事が膨張している恐れがあるということだ。最初に仕事を終える時間を決めておくことが大事だそうだ。生産性を高めればクリヤーできるはずである。そして、部下とは残業しそうになった時はどうするか決めておくことが大事とのこと。残業しそうなときは「上司に相談します」という一札を取ってはじめて根深い残業の習慣を断つことができるとある。さてさて、うちの組織はどこまで徹底しているのかなと思った。
 第2法則はプロジェクトの予算設定において、ゆとりを持たせると結局示された額まで予算を使ってしまうケースだ。節約という概念がなくなりがちとのこと。この法則は行政組織において見出された法則だそうだ。なんだかどちらも小さな仕事を増やして時間とお金を無駄に使うことだ。これでは利益を生まない体質である。 
 これらの対策についても色々と対策は考えられているようです。実際の対策例をプロジェクトは調べたことがあるのだろうか。自分の思い付きだけでは問題は解決しない。

④マニャーナの法則
新しく発生した仕事はその日のうちに取り掛かるのではなく、「明日やる」を原則として、仕事を効率的に進める法則です。今日やっている仕事と並列してやると効率が落ちることを理解しているからだ。人間の脳には「理性的な脳」と「衝動的な脳」に分けられ、急な仕事が入ると衝動的な脳が優先的に取り組むとのこと。しかし、衝動的な脳が仕事の優先度を判断するのが苦手なので、今日のタスクに集中して取り組みなさいということになる。昔は「アシタ(で)マニアウヤ」という言葉で先送りし、悪い意味で使われていたが、これは真逆の心理である。

⑤エメットの法則
2つの法則から成り立っている。一つ目は「仕事を先延ばしにすると、結果的により多くの時間とエネルギーが必要になる」という法則です。先延ばしにするとその仕事のことが思い出され、結果的に非効率的だということだ。二つ目は「完璧を目指すと仕事を先送りする癖がつく」ということだそうだ。綿密な作業計画を立てるとそれだけで時間がかかるので、まずは終わらせるという意識で早く進めることが先決といわれている。これもなんだか「2兔を追うもの1兔とも得ず」が思い出される。たしかに、2つの命題があると心が千路に乱れてうまく運べないことになる。一つ一つをさっさと片付けていくことが仕事を仕上げるコツである。

⑥パレートの法則
「全体の20%が80%の結果を生み出す。」という法則です。仕事の成果をとらえると、次のことがいえる。まずは優先度の高い順番から仕事をしていくと20%の労働時間で、成果の80%を達成しているといわれている。このことを考えると生産性の高さがうかがい知れる法則である。優先順位をつけていく習慣が仕事の成果を左右することにもなる。
 以上のような法則を取り上げてみました。
 この法則の中でパレートの法則は時間生産性を考える上で大切なルールだと思っている。80対20の法則で仕事に取り組み、自分の自由時間を増やし、楽をしながらよりよい支援を考えたいものだ。しかしながら、優先順位をどのようにつけるかの基準を持たないと自発的に仕事をこなすことはできない。まずは自分で考え、他人と議論しながら優先順位を決めて取り組むことが肝要だ。


 





社会福祉法人 あおぞら共生会

〒210-0848 神奈川県川崎市川崎区京町1-16-25 TEL:044-328-7363

Copyright (C) aozora All Rights Reserved.