社会福祉法人 あおぞら共生会
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あおぞらブログ


【明石邦彦のつぶやき】河津の別荘での虫取り 2025/2/17
 1月の終わりに元職員から電話があり、鶴見にお住いのOさんが亡くなられたという訃報が入ってきた。なんでも自転車で走行中に心不全を発症し、意識不明となり急逝されたそうだ。同じ年頃で、親しくした間柄であったので、今度大菩薩へ虫取りに行くとき、車に隙間が出たら連れて行こうと思っていた仲間だ。盟友がなくなることが身につまされる年になったのだなと実感する。この方と虫取りでのお付き合いが始まったのは大菩薩峠に出かける前からである。Oさんは河津に別荘をお持ちだったので、7月の3連休を過ごすのが恒例であった。この別荘は以前は魚釣りの人を対象とする民宿だったそうである。私は河津でカミキリムシを採集するのはあまり期待しないでいた。別荘の周りは椎やクヌギやタブの大きな木が密生していたので、カミキリムシではなく、むしろクワガタやカブトムシが取れるのではと思っていた。
 しかしながら、参加した皆の一番の楽しみは虫取りではなく、河津から近い稲取漁港にある徳造丸での新鮮な魚料理である。次の日の夜はウナギか、焼き肉を選択することになったが、いつの間にか精肉屋が経営する焼き肉(熊本阿蘇の牛肉などのブランド牛が提供される)に固定してきた。新鮮な食べ物をたらふく食べられるという楽しみがあるために昼間の虫取り、夜の夜間採集と皆のベクトルが集約して楽しい夏の恒例行事となった。河津での夏休みは4-5人の集まりであったが、朝、昼、晩と一日中充実していたように思う。真夜中も道にある外灯に飛んでくるクワガタには飽きることはなかった。周りの椎の枝には虫たちが一休みしているので、目視で見つけるのも面白かった。真夜中、朝と寝る間を惜しんで楽しんだ思い出だ。Oさんの別荘がなければこのような楽しみは味わえなかったことだろう。また、Oさん行きつけの徳造丸のなじみのおかみさんとの出会いや、大きな船盛の刺身などで、みんなでワイワイ楽しんだのも大いなる財産である。
 さて、その方は私と同い年であり、障害をお持ちの娘さんがいたので、私の法人に応募してこられたようだ。自分の娘さんが居住するGHの情報を教えていただき、当時の運営に大いに活用させていただいた。中でも、ホテル「おおるり」の親睦旅行開催にあたってはGHの利用者と支援者のベクトルを合わせに活躍していただいた。あまり旅行をしない利用者にとって年3回(5月のGW、10月の紅葉狩り、正月休み)出かけ、18か所くらいあったホテル「おおるり」のチェイン店を全部回るまでになった。旅行回数は20回以上にもなったほどである。色々なところを回るにつれて、意思疎通に問題がある利用者にもバスや宿舎でのマナーが定着し、集合時間に遅れないまでに成長してくれた。その立役者はOさんである。その他にもいろいろな制度改革を実施することに貢献していただいた。訃報を聞くのは慣れているが、思い出深い間柄であるので、何とも言えない気持ちだ。でも、見方を変えるとその人の死にざまはPPK(ピンピンコロリ)を実践されたことにもなる。家族にとっては思いがけないことであったが、長い闘病生活で子供たちに迷惑をかけることもなかったので、後で思うと幸いであるかもしれない。
 あらためて、あおぞら共生会の発展に尽くされたことを感謝して、ご冥福をお祈りします。

写真:①徳造丸での船盛 60cmの長さ ②鉢山登山口前での虫仲間たち
  


 



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