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あおぞらブログ


【明石邦彦のつぶやき】大学進学率の調査について 2025/12/13
 私の家は毎日新聞を購入している。昔は朝日新聞だったが、きっかけは毎日新聞の野澤和弘さん(論説委員)と妻とが色々な会合で対談したりした関係上、切り替えた経緯がある。長い間購読しているが、紙面から見ると障害者に理解がある新聞だと思っている。
さて、12月1日付の朝刊の1面に「障害者18歳人口から除外」という文字が大きな見出しになっていた。文科省の大学進学率の計算に特別支援学校の卒業生は除外されていることが分かったという記事だ。
 紙面の文字から判断すると文科省に差別意識があるのではと思った。確かに特別支援学校から大学に進学する人は少ないかもしれないが、進学する例もあることから考えると大学進学率の分母の中に加えるのが筋と思う。文科省は「特別支援学校では就学猶予などによって年齢と学年が一致しないこともあり、18歳人口に特別支援学校を加えると18歳以上の人も含む可能性がある」と言っている。しかし、普通学級でも病気や留年もあるので、年齢と学年が一致しないケースがある。文科省の論理としては明らかに矛盾している。特別支援学校の卒業生を含めても数値としては微小なパーセンテージのズレだと思うが、正確さにかけるし、インクルーシブ教育を重視する文科省にとっては片手落ちの話という意見もある。そして、行政担当者の自覚なき差別意識が見え隠れすると述べられている。社会面(3面)には全盲の大学3年生の河本さんが釈然としない気持ちを述べられていた。彼の実体験として障害者差別解消法で求められる合理的配慮が大学では義務化されているが、やんわりと敬遠される実態もあるようだ。
 社会面では「進学率 なぜ私たち抜き」の言葉に意思決定支援の言葉「私たちのことを、私たち抜きに決めないで!(Nothing About Us Without Us)」が引用されている。問題提起の見出しとしては適切な表現だと理解した。1面と3面にこの件が記載されると大きなインパクトがあると思う。
 学校当局はASDの子供たちを今まで見過ごしていたために近年数が増えたと私は思っている。そして、その子供たちのコントロールができない先生方が増えたので、学校では特異的な子供はクラスから浮き上がり、特別支援学級に廻された結果、数が増えていると思っている。そのような子供たちの中には学問レベルでは見劣りしないが、ADHD気味で授業中フラフラしたり、集団行動になじめない子供も多いことだろう。その子供たちがいじめの対象となり、特別支援級を選択せざるをえない事例も多いと考える。特に先生方も教室全体をまとめ切るだけの寛容さもないので、落ち着ける場所としての特別支援学級を勧めるのではと思う。この差配は差別的取り扱いを感じさせるケースである。ASDの子供たちの一部には特異的な才能を有する子供も多いと思うので、大学を目指すケースもあるのではと考える。差別意識では子供は育たない。稀有な才能を持つ子供にはそれなりの道筋を与えなければならないという思いだ。
 なお、この問題について、2日付で松本大臣が見直しを発表した。素早い対応である。





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