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【明石邦彦のつぶやき】目隠しテスト |
2025/11/26 |
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法人内では事故報告書などを書く機会は多い。そのために論理的思考を身に着けるように練習問題を作ったりすることで、支援の質を上げる工夫をしている。例えば、利用者への言葉かけについて太田美鈴さんの声掛け変換表(指示・命令・禁止)を使うことがある。その場合はBefore(まずい声掛け)とAfter(よい声掛け)のAfterをブラインドにしてまずい声掛けを使わない言い方を回答していただくような方法をとる。同様に、利用者への不適切な支援を取り上げ、ABC分析や氷山モデルで支援計画を立案する場合は記述された前提条件を明示し、支援計画部分をブラインドして、その人なりに考えた支援計画を立案していただく。そして、チームでそれぞれ考えた支援計画をオープンにして、意見の違いを議論しながらチームとしての支援策を考えるというやり方だ。グループホームで頻繁に発生する誤薬問題も同様だろうとして支援者やその上司がその時にとる行動について目隠し問題を作ってみた。
例として、グループホームで実際に起きた事故である。AさんとBさんの眠前薬としてそれぞれ用意された薬袋での誤薬事故である。Aさん:アムロジン(血圧降下剤、狭心症改善薬)、Bさん:ジアゼパム(不安症)、デエビコ(入眠剤)が薬袋に収められ、袋に名前も記入されていた。
事故はAさんの薬をBさんに飲ませたことである。世話人はすぐに間違いに気づき、薬を吐き出させたのであるが、飲ませたことに間違いがないので、行政に報告する案件となった。事故報告を書き、行政に提出して、ことは済んだのであるが、また同じようなことが繰り返されては意味がない。そこで、実際に間違った薬を飲ませたことにしたら、世話人や上司はどんな対応をすべきかを考えてもらうことにした。答えをブラインドにして提示した。
このケースは眠前薬であるから眠る前の時間帯(PM9-10)に処方すべき事案である。当然薬局に問い合わせができない時間帯であるので、どのように対応するかを考えなければならない。日中では薬局に問い合わせて、処置を聞き、その通りにするのだが、夜間は問合せすべき薬局が閉店しているので、無理である。
そこで、事務局でどうするかを考えてみると3つほどの案が出てきた。
ケース1:本来、飲むべき薬と誤薬した薬の飲み合わせの情報がないために通常飲むべき薬を一回パスして、誤薬された利用者の健康状態に注目し、様子を見、翌朝薬局が開いたら判断を聞くことにする。
ケース2:薬局で非常時対応として深夜の問い合わせ窓口があれば問い合わせて、飲み合わせ情報を聞き、判断する。そのようなところがあるのか、また、聞けるとしたら何らかの条件があるのかの確認(契約している場合のみ等)が必要と思う。
ケース3:知り合いの薬剤師に聞き、飲み合わせ情報や、薬の作用機序などから判断してもらう。このような薬剤師ルートで調べてもらうことができるのかとなった。薬剤師が、飲み合わせ情報などはその企業に所属するから得られるはずである。そのため、所属組織としてそのような行為が認められるかの問題もあるのではと思っている。
このように3つのケースがあるので、知り合いの薬剤師および医師に聞いたのちに法人の判断を決めようと考えた。薬剤師の私の奥さまは「夜間の場合、飲み合わせ情報がないので、1回はパスし、誤薬した利用者の様子をしっかり見て、状況が悪ければ救急車で病院に搬送する」ケースを推奨している。さて、どのような処置が法人として適切なのか考えてみたい。
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