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あおぞらブログ


【明石邦彦のつぶやき】孟母三遷の思い 2025/11/25
 久しぶりに次男の政嗣が我が家を訪ねてきた。私が依頼していたパソコンを購入してセットしてくれるのかと思ったら、徹之の一人暮らしの様子を見に来たという話だった。私のパソコンは販売会社に購入依頼をしてくれたのだが、なんでも買い替え需要(ウインドウズ10から11への切り替え)が多く、順番待ちだそうで、11月末のお届けになるとのことであった。まだ、今のパソコン(W10)は1年の猶予があるので、我慢だ。
 また、孫たちの様子を聞いてみた所、長男は高校一年生で勉学に励んでいるとのこと。また、長女の地域の中学で頑張っているとのことであった。話の中で教育環境の話になった。息子が言うにはライバルがいる教育環境が大事とのことだ。彼の話の骨子は「勉強しようというライバルが多いかどうかによって向上心はさらに高まり、互いに切磋琢磨する環境が作られる」との話だった。住んでいる三鷹は親たちが教育熱心であり、子供たちを有名高校や有名大学に入学させることを目標にしている人たちが多いとのことである。
しかしながら、川崎は北部と違い、南部の川崎区は勉強熱心な子供たちが少ないということだ。自分が卒業した県立新城高校では競い合う精神はないようなことを述べていた。最後には孟母三遷の話まで出して、子供を育てるには教育環境が重要だと力説していた。
 そういえば我が家の孟母三遷は徹之中心であったから政嗣はその犠牲者なのかなと思い、申し訳ない気持ちとなった。私には「でもね、あとは自分だよ」という気持ちもあった。確かに徹之を育てるためにはいろいろと場所を変えたことが思い出された。徹之の療育に当たっては幼稚園・保育園探しで苦労したし、私の佐賀転勤に当たっては古賀先生(洋子の佐賀での中学時代の校長先生)のお力で徹之は赤松小学校に入学できたし、担任の園田先生の異動に伴い、北川副町に家を購入しての対応など孟母三遷の思いで実行してきた。それに政嗣は引きずられた思いはあるのだろう。
 さて、確かにライバルがいることは自分を磨くことにもなるのだなと政嗣の話を聞きながら思った。さてさて、昔の自分はどうしていたのだろうと振り返りながら会話を続けた。私は父の都合で小学5年の3学期に香椎という新興住宅が多いところに転居した。すぐに中学になり、市立の香椎中学に入学した。学年の生徒数は180人程度で4クラスであった。張り出された入学のクラス分けの掲示を見た時、1年1組1番明石邦彦と記されていた。1が並んでいるのを見て、我ながら縁起がよいと思ったものである。この中学は福岡市では東地区にあたる。少し前は粕屋郡という地区名であり、転居する少し前に福岡市に併合されたところである。私の家の後ろにはれっきとした粕屋郡の保健所の建物が残っていた。香椎は福岡市に編入されたので、高校では県立福岡高校(博多商人の旧制中学)がトップブランドであった。そのため、福高への入学者を増やそうと先生たちが一丸となって教育に取り組まれていた。当時の福高入学者トップが箱崎中学であったので、それを追いつけ、追い越そうという意気込みであった。そのため、補習授業も多かったように記憶する。ノーベル賞を取られた大隅先生は私の1年先輩である。大隅さんの時も福高入学者が増え始めた時期と思う。私たちの学年は43名の入学者となった。香椎中学の出身者が福高では1割を超えるようになってきた。その後、東区の香椎地区は大発展し、新興住宅がさらに多くなり、香椎中学は3つに分裂した。新興住宅のある所は親が教育熱心で、勉強熱心な地域であった。切磋琢磨の環境が整えられていたように思う。福岡高校と修猷館高校(黒田藩の藩校)は九州大学への入学数を争うという伝統があり、入学者数で後れを取ったらお酒を贈る慣行があった。2校が福岡市の高校の双璧であり、切磋琢磨するライバル関係でもあったと思う。このように自分の歴史を考えると身近に切磋琢磨するライバルがいると向上心は高まるものだと実感した。
 久しぶりに息子の熱弁を聞きながらお願いしたのは「齢80なれど、自己研鑽する本を紹介してくれ」と。子供から教わることに何らの拘泥もない自分がいることに満足している。孟母三遷の思いも大事だが、要は「自分である」。自分が思うこと(人のために役立つなど)を考え、実践することが自分の生涯を豊かなものにするとの思いからである。なお、私は「老いては子に従え」の例え通りに過ごすので、政嗣には自分の進む道を真っすぐに歩いてもらいたいものだ。





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