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【明石邦彦のつぶやき】午前3時の勉強会 |
2025/11/18 |
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首相の動向についてのニュースで、「午前3時からの勉強会」が開催されたと報道された。我々もよく勉強会というのを開催する。我々の勉強会は職員が自発的に行うものだが、一般的に業務の終了後に行うケースが多い。通勤時間(バスなどの始発の時間)を考慮しての開催である。首相の午前3時から開催とは何とも合点がいかない話だ。この勉強会とは何だろうと思ったら衆議院の予算委員会での答弁をするための打ち合わせだそうだ。勉強会と言えば聞こえがよいかもしれないが、首相が答弁の内容を磨き上げるために行う自分一人の勉強会のようだ。今では普通になっているようだが、官僚が作る答弁書ができるのが午前3時くらいだからそれに合わせて出勤したとのことである。首相は官邸で答弁書の内容を確認し、自分の考え方を加味して、本番になるとのことだ。出来上がった答弁書を確認して、秘書官との打ち合わせをするための集まりに過ぎないのではと考えると早朝すぎる勉強会だ。彼女はいまだ首相官邸に住んでいないために、議員会館からの出勤と思われる。そのために警備員が付き、周りの人たちに苦労させた話でもある。もともと各党の議員質問の提出が遅いために、はたまた質問の意図がわかりにくいために官僚が苦労して作り上げたものであるから時間がかかるのは自明の理だ。答弁書を作る若手の官僚は夜遅くから仕事が始まり、深夜に書き終わって、ようやく霞が関を出るのが普通のようだ。20-30年前の官僚の働きぶりと変わらない構図である。当時の話しでは官僚は仕事が終わると待たせていた深夜タクシーで自宅に帰るそうである。私は経団連でバイオ委員会の委員をしていた関係で、霞が関の若手官僚とお付き合いすることが多かった。特に来期の予算獲得に当たっては予算申請書の下書きも手伝った経験があり、早朝のご自宅への帰還の話はよく耳にしていたものだ。しかしながら、勉強会(打ち合わせ)については交通機関が動き出す朝7時くらいからが普通ではと思っていた。朝食を食べながらの打ち合わせではと考えていたからである。午前3時はいささか度を過ぎている感じがするので、単なるパフォーマンスに過ぎないのではと考える。
30年前ほどバイオの窓口をやっていた関係上、尾身通産大臣が若手官僚とともに味の素の最新のバイオ設備(細胞培養設備など)を見学に来られた。見学後、尾身大臣と官僚を副社長とともに料亭で接待していたら、若手官僚はこれから霞が関に戻って書き物をするということを聞かされた。これでは落ち着いて酒も飲めないのではと、気の毒に思ったことがある。いずれにしても早朝(AM3)の仕事は控えて、余裕をもって答弁できるようにすべきだと思った。首相が全方位で答弁しなければならないシステムも改善が必要であるし、首相というリーダーの健康問題も考えなければという思いだ。首相自身が仕事・仕事・仕事等々思っていても寝ぼけた頭で判断されると答弁の質は落ちると思うので、改善を図ってもらいたいものだ。どれだけの人が朝3時に動員されたのだろうと思うとはた迷惑でもあり、無駄なことではという思いが湧きたってくる。
同じような事例を経験したことがある。小泉内閣の時にバイオの問題などを経団連のお歴々と小泉首相が朝の朝食会で意見交換する機会があった。朝7時くらいの開催で簡単な朝食をとりながらの意見交換であった。私はおつきの人たちと一緒に話の内容を確認するために出席を求められた(社長命令であるから断れない)。そのため、私は朝の5時起きで、川崎から赤坂方面の会場に行かざるを得なかった。この時間でも迷惑するのに、「午前3時ではなあ。はた迷惑だな」と思った。質問する議員も質問書を早めに出して、官僚や官邸が十分論議する時間を与えてほしいものである。また、首相は適切な答弁ができる大臣に振り、大臣が答弁するのが良いのではと思う。何せ専門の部署であるので、日ごろから検討しているスタッフが揃い、出番を待っていると思うからである。しかし、答弁に立つ大臣も専門分野には精通してもらいたいものである。あまりにもひどい答弁では大臣の資質の問題ともなるので、首相は早く見切りをつけて首を据え変えないと内閣への信頼は高まらない。大臣未経験者である年寄り議員にポストを与えるのはいかがなものかと思う。年功序列ではありません。
最後に、首相はパフォーマンスはやめ、切れのある頭で質疑応答の場に臨んでほしいものである。
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