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【明石邦彦のつぶやき】AIの活用はオリジナリティを生むことができるのか |
2025/11/5 |
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ある大学の先生が「AIは良き相談相手である」と巻頭言で話されていた。何でも「忙しい教授に代わる相談相手。日常での先生であり、よき友のようだ」と書いてあったと記憶する。私は以前から考えることは「研究者にとってAIの使い道を考えるとどういう将来が描けるのか」と。AIをどういうやり方で、どう使えば、何ができるのだろうと疑問に思っていた。AIに文献検索でも頼むのか、論文を書き上げるときに論文の精査(論理性、誤字脱字など)をしてもらうのかと。AIを使っての新しいアイディアの創造とはどんなものであろうかと。文献検索に使うなら質の低い出版元の引用では馬鹿にされるのではないかと考える。そして、自分の論文の価値が下がり、真偽の問題ともなるだろう。AIが独創性を生み出すとは思えないのなら効率的で、迅速性があり、整理するための道具に過ぎないのではと思ったりする。AIと独創性のつながりをいまだ理解できない自分がいる。
さて、どこにでもAIで文章を作る人がいる。まとめられた文章を読むとなんだか一般的なまとめ方で、差しさわりのないような文章だ。その人の個性は全く感じられない。どこに自分なりのオリジナリティがあるのかと考えてしまう。AIで報連相をしていると個性を感じないし、Face to Faceで話す緊張感とは程遠い。これでは問題解決のための遂行力は生まれない。口先ばかりで、組織では上に立つ資格もないのではと感じてしまう。人との縁(えにし)もどんどん薄れてしまいそうだ。自分が思う所を声に出し、実践・遂行し、軋轢を乗り越えなければ、他人との信頼関係を構築することは難しいと考える。
この話とは別に「2割が努力で、8割は人との縁だ」という先生がいた。努力は研究に対する信念であろうし、8割は人とのつながりで人生(研究者としての人生)が形作られていくと述べられている。若い人たちに向けて「自分の感性を信じて、新たな環境に飛び込み、果敢に挑戦することだ」と言われている。新しい経験を積み重ねることは人間としての葛藤の歴史でもあり、人との縁の積み重ねである。その結果、「一段と高いレベルで、物事を見ることができる」と若い人たちに告げているようだ。
さて、私がDr論文を書いたとき、自分の新しい知見は先人の積み上げてきた知見を土台にして考えられたもの(論文の骨子)と理解した。論文を仕上げるだけでなく、研究世界の枠を広げることで物の見方が随分とシャープに磨き上げられてきたことを実感する。AIでの友達作り(真に価値ある人との付き合い)はどうするのかを考えなければと思う。AIは単なる効率的な使い方なのか、はたまた創造性はどう作れるのかを考えないとAIに振り回される人生となってしまうのではないかと思った。自分の思いを深めていかなければ価値ある人生は歩められないようだ。
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