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あおぞらブログ


【明石邦彦のつぶやき】大学教授になる方法(資格・素養?) 2025/10/29
 大学の先輩である緒方先生(九州大学名誉教授)から2025年出版の随時・随想が送られてきた。パラパラとめくるとカミキリムシの仲間が大勢登場する。多くの方たちが登場するが、すぐにあの人は今どうしているのかしらとなる。なかでも私が目を留めたのは難聴の話と大学教授生態論の話である。今日は生態論の話を中心に一言述べさせていただきたい。
 送られてきたときに大学教授生態論に目が留まり、すぐに先生にメールを送った。「先生がおっしゃられることは自分に該当することが多いので、私も大学教授になれたのではないでしょうか」と。先生からご返事はいただけなかったが、心から笑っていただけたのではないかと思っている。
 現実的には味の素時代、非常勤講師ながら8年間ほど、東京農工大学、九州大学で教鞭をとったことがある。そのためか緒方先生が定年退職される時に担当講座(大学院大学)の後任候補として先生からお誘いがあった。味の素を退社しようと準備し、あおぞら共生会の理事長に転身する時点での話であった。法人運営には人材がいないし、福岡での別居生活中に妻が倒れては後任教授になる意味がないと私なりに判断した。そして、福岡まで出かけて、推薦していただいた3人の先生方に辞退の念を申し上げた。
 その話とは別に、私に教授としての素養があるのかについては先生が述べられた点のいくつが該当するのか、興味が湧いたので、私なりの検証を試みた。
 まず、大学教授に適する人として「①自分で調べることが好きな人、②人に教えることが好きな人」とある。私は文献調査など調べることは億劫にはならない性格である。何故なら調べることで新しい知見・物の見方を発見し、自分の考え方を大きく膨らませることが楽しみであるからだ。また、教えるための資料づくりに苦労はするが、学生さんに世界の最新の情報を教えたり、新しい知見を発見した時の苦労や喜びを話すことは楽しい。九州大学でバイオテクノロジー論を集中講義した時に170ページにわたる教本を作成し、講義した。企業の研究戦略・特許戦争なども織り交ぜての講義だった。学部学生に限らず、大学院の学生さんも参加されて盛会であった。2日続けての授業だったので、疲れはあったが、充実していたのを思い出す。このことが縁で、味の素に受験したい学生の面接も行うことになった。学生の面接に当たっては一人に1時間以上も時間をかけて、合否とは別に受験の心構えや話すポイントなどとともに企業が求めている人物像を伝え、その学生に不足している点をフォローして、懇切丁寧に対応したことが思い出される。毎年続けているうちに農学部に限らず、農学部の隣にある理学部の学生まで、多くの面接の申し込みがあった。そして、味の素はダメでも他の有名企業に合格した人も多く出ることになって、先生方には会社面接の練習になると感謝された。
 次に、「③好奇心と探求心が備わっていること、➃想像力が豊かなこと」とある。③についてはだれしも研究者には備わっていることだと思う。研究所在籍中から自分は好奇心や探求心が研究仲間と少しばかり違う(視点・切り口の差異)と常々思っていた。研究所で何かトラブルがあると現在進めているテーマを中断してプロジェクトとかに駆り出された。その中で、「何故だろう」と原理・原則から考え、はたまた微生物の気持ちになりながら新しい知見を見出すという事象を多く経験した。「あいつがいれば、この部所は心配ない」と上司から言われたものである。研究室ではトラブルシューターという位置づけになった。その後、誰からでも相談されるとそれなりのアドバイスを与え、問題解決に当たってもらった。ハードルが高いほど面白く思ったものである。➃想像力は③に述べたところで顕在化していると思う。私は想像力というよりは創造力として新しい知見の発見からの問題解決に関心が高いからである。
 それに加えて「⑤適度な自己顕示欲と自尊心も必要になる」とある。これは人間として生きている限りは大切なことである。ポジティブに人生を歩もうとすると必要なことである。謙虚さも必要だが、主張するのも大切であると思っている。
 こんなことを大学で長年続けると自ずと教授になることができるのではないかと思う。例えば、昆虫採集でも同じだ。珍品を採集できるかは虫の気持ちになる考え方や取り方も工夫次第でもあるし、長年のコツコツとした努力も必要だ。また、大珍品を捕ると自己顕示欲や自尊心もおのずと高まるものである。80歳になってもなんらか社会のお役に立ちたいと気持ちを持ち続ける人は教授を狙える素質があったのではと思うこの頃である。





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