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【明石邦彦のつぶやき】消費期限切れの食品を食す |
2025/10/28 |
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就労継続支援事業B型の「ぞうさん」では昼間の活動拠点として東扇島で施設外就労の場を確保して活動している。昔は食堂や弁当販売所などがあり、私も支援に出かけた時はお昼を食堂でカレーや醤油ラーメンなどを利用者と一緒に食べていた。今ではコンビニ利用(サンドイッチやおにぎり、菓子パンなどを購入)の利用者が多いようだ。食堂や集会場で仲間や会社の人たちとともに食べることで、普通の社会経験を積む場になっている。今回、利用者が消費期限切れの食品を食べた例がヒヤリハットとして出てきたので、取り上げてみた。食中毒につながるヒヤリハットである。
昼食時は利用者と職員が一緒に会話しながら食べるのが常である。ことの発端は利用者が自分で用意したおにぎりセットと納豆巻きを食べている時だった。利用者の食べているおにぎりが糸を引いているのを職員が発見した。利用者に食べるのをやめていただいて、消費期限を確認すると6日前のおにぎりであることが判明した。すぐに職員はおにぎりが消費期限切れでいたんでいるので、廃棄してもらったそうだ。利用者は一部を食していたので、体調を不安視したが、大丈夫だったとの報告である。この件は食中毒事件にもつながるので、職場の支援会議で情報を共有し、本人にストレスを与えない程度で昼食時に確認作業を続けることになったと記載されていた。なお、おにぎりは集合場所であるバス乗り場付近のコンビニで調達されたものではないことも確認した。休みなどでお出かけした時に購入したもので、食べるのを忘れていたのではと思われる。
4日後にも、同様に消費期限切れの問題が発覚した。菓子パン2つが19日前の消費期限であった。この方はグループホーム(GH)に住まわれているので、ホームに連絡し、朝の出発時に荷物確認(作業用具、着替え、お小遣い、連絡帳、利用者手帳など)として必要な品物の確認とともに、リュックの中に食べ物がないかどうかの確認をしていただくことにした。その後、同様な件は報告されてはいないが、しばらく様子を見ることが必要だ。
この事件をもとに、ABC分析を行ってどのような対策となるかを検証してみた。先行事象(A)、行動(B)、結果(C)を書きながら疑問点、確認事項などを記した。これを参考に現場で実際に検討していただいて行動支援計画に反映していただければと思う。
ただ、機能分析や嫌子・好子の書き方で議論を呼ぶのではないかと思った。私が記した機能分析は「要求」と考えた。本人の気持ちになって表現すると、「買ったものは食べないともったいない。お金は使いたくない」とした。また、嫌子は「食べるのを忘れていたので、食べなくては損だ。」というネガティブイメージで表現した。この利用者の考え方には腐敗や食中毒のイメージは全くないと考えたからである。そう決めつけて行動支援計画を考えると「①GHから東扇島に出発する前にリュック内の確認と昼食の代金確認(ただし、事後でよいから家族への手荷物調査了承の確認が必要)。②消費期限や賞味期限の説明、腐敗と食中毒の説明が必要。」となる。勿論、「昼食時の確認」は必要と思う身近で起きた事件をもとにABC分析や氷山モデル分析を行うことで手法の定着につながればと思い、私が考えたABC分析を早速現場に投げかけた。
付随して、メディカルノートから引用した食中毒の症状と対策(予防を含む)と消費期限と賞味期限の違いについて、コンビニなどの商品の一般的な消費期限や傷んだ商品の見分け方、腐敗と発酵の違いや熟成の知見をつけて現場に送った。
正しい理解とともに適切な対応策を現場の人たちが自ら考えていただければ幸いである。
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