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【明石邦彦のつぶやき】自己承認力の育ちを自分なりに振り返る(Part 3) |
2025/6/16 |
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さて、ASDと思われる自分の過去を振り返って3つの要素について考えてみた。人は色々失敗と成功を重ねながら育つものである。しかしながら、必ず努力はつきものと実感する。日々の積み上げで人は変わりゆくものだと思う。
①自己肯定感の高め方について
自分の得手、不得手とは何かと考えてみた。自分は興味が惹かれるものにはのめり込むタイプであるが、どちらかというと話下手である。セールスマンのように言葉巧みではないと考える。学業はそれなりであったかもしれないが、話し上手だから生徒会長に選ばれたわけではない。何故なら、生徒会長時代は毎週の朝礼挨拶が苦手であった。原稿として挨拶文を用意してても暗記した文章通りにセリフが出てこないと頭の中が真白になり、何秒か沈黙の時間ができる。次の言葉を思い出すために頭の中がグルグルと回転するが、キーワードさえも出てこない。当時はごまかす技量もないので、壇上で冷や汗タラタラを何度か経験することになった。大人になってから気づいたことであるが、キーワードを順番に並べて、発言内容を膨らませていけば一言一句間違いなくという心の負担から解放されることがわかった。ある時、中学同窓会で司会の大役を仰せつかった。会社生活で司会や講演は慣れていたので、大筋は台本通りの進行となった。生徒会の副会長をしていた人が私の挨拶やウイットあるセリフを聞いて、「成長されましたね」という言葉をいただいた。論理構成の順番さえしっかり組み立ててあれば後はアドリブでも聞かせる余裕がでてきた結果だ。昔は「失敗したらどうしようと他人の評価を気にしていたこと」と「完璧でないと自分を許せないと思ったこと」で、失敗するとパニックになった。ダメな奴とレッテルを張られるのは嫌だと劣等感に苛まれていたのではと思った。高校、大学、会社を経て、世間では上には上がいることも理解したし、自分の能力の範囲内でよいとする柔らかさが生まれたからだと思う。四角四面に考えずとも生きていけるものであるという境地になることだと思った。
②自己効力感について
人は仕事の事で壁というものに遭遇するものである。この時は他人へのアプローチで悩み、心穏やかで過ごせない時間を持つことになる。しかし、話し合いをしない限り、仕事の成果を生まれないのであるから、どこかで決断し、壁をぶち破らなければならない。一種のセンシティビティトレーニング(ST)が必要である。若い時から小さな成功体験を積み上げることが大事と思うようになった。低い壁でも突き破ることで小さな自信が芽生え、「どんな時でもなんとかなるさ」としてポジティブ思考で行動することだと思う。STを通して成功感を味わうと前向きで物事を進めることができる。自分が数々の壁を破ってきた経験から、次はどうすればよいかもおのずと考えるようになった。ポジティブ思考の自分を作り上げていると千載一遇のチャンスが訪れ、大きな成功を収めることができると考えるようになった。
③コミュニケーションスキルについて
人と対話することは難しいものだ。特に、人を説得して自分が思うことをやっていただくことには難しさがある。昔は人と良好な関係を維持するためにノウハウ本を読み漁ったものだ。大学時代は哲学書や人生論などの書物が本棚に並んだものである。私の好きな本として本棚の中心に据え置いたのは亀井勝一郎の人生論である。シリーズもので6冊くらいはあったであろう。気に入った言葉には蛍光ペンでマークしたので、古本屋へもっていくことはできなかった。最近、職員に配ったカーネギーの本「人を動かす」にも蛍光ペンを走らせた。この本には人や組織を動かすための人間関係の原則が記述されている。なかでも、人を褒めたり、認めることが大事だと確認できた。今までは、なかなか「ありがとう」と言う言葉が出なかった時代もあったが年を取ると素直にありがとうという言葉が出るようになった。いまでは人をなじるよりは褒めることを中心に考えている。明確な目標を共有し、成し遂げた部下に対しては賞賛して、自信をつけてもらうことが部下育成のカギと思うようになっている。ただ、論理的な思考であるかが評価の分かれ目でもある。この点が欠けていたらダメを出すのも役割の一つと心得ている。問題点を指摘することで、相手に考えさせて、自分の責任で行動させることが上に立つ者の役割だ。そういえば、部長になったときに児玉専務が「これからは人を育てることがあなた方の重要な役割です。自分よりも大きな考え・行動力を持った人を見出し、道をつけてあげる事。」と言われた。いずれにしても、自分で決め、責任を負う気持ちで行動することが大事と思うようになった。
私の後半の人生はこのような考えで過ごしてきた。ASDタイプの人でも小さな努力の積み上げで、自己承認力が身についてくるのではと自問する自分がいる。
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