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【明石邦彦のつぶやき】応用行動分析の活用 |
2024/9/6 |
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隣の席のTさんが朝日新聞の記事を持ってきた。広告も多いように感じたので、切り取ってまとめていただくように頼んでいたら編集された記事が机の上に置かれていた。早速、記事に目を通したところ学校法人西軽井沢学園の理事長をされている奥田健次さんの活動を取り上げたものだった。サムエル幼稚園やさやか星小学校を開設し、ある種の障害児教育に取り組んでいる方の取り組み内容だ。障害児教育のフロントランナーとしての位置づけである。センセーショナルなフレーズ(信念?)として「応用行動(ABA)分析学で直せない問題行動はない」とある。私にとっては衝撃的なフレーズには思えないが、藁にもすがりたい親たちにとってはある種の衝撃でもあるだろう。障害児を抱え、どうしたらよいかに直面して、ドクターショッピングを考えている親にとっては魔法の言葉であるようだ。私のように氷山モデルやABC分析で問題解決を考える人にとっては使い慣れた手法の一つの工夫された姿のように思えた。
さて、報道された内容は私の信念とも酷似していると思えた。この人が言う「ダメなことを叱るのではなく、よい行動を褒める。その子は褒められたことで自信をつけ、よい行動をさらに増やしていく意欲を育てる」とある。この考え方は子供に限らず、大人にも通じる話である。
そこで、ABA分析とTEACCH手法を比較するとABA分析はABC分析に通じるように過去の出来事から改善を図る手法である。TEACCH手法は過去の数々のデータから将来を予測しながら強みに基づいた手法で問題行動を解決していく手法だと思う。どちらもABC分析、氷山モデルなどのやり方で解決策を模索する手法だ。私としてはどちらの特徴も活かしながらTry&Errorを積み重ねたいものだ。
奥田さんの考え方がいくつか取り上げられていたから紹介してみよう。
①行動をポジティブにとらえよう。叱らないが基本。褒めるように。
②褒められることを考えるように褒美を与える。(一種のトークン手法の活用だ。)
③褒めることで本人が認められたという意識になる。自信ができ、次にチャレンジする。
④社会に生きていく時に完全な自由はない。ルールがあることを大人が示す必要がある。
教育とはこのルールの中で、お互いの主張がぶつかった時、相手を尊重できる姿勢や方法を身に着けることだ。
私なりに考えると「人を褒める」ことは人生で、人間関係を良好に保ち、人を動かす秘訣のように思える。私が職員に紹介するカーネギーの「人を動かす人間関係の原則」によれば次のような言葉がある。
①人はプライドと虚栄心によって突き動かされる。
②叱るのではなくて、褒める。
③全ての人は褒められるのが大好き。
④褒めて伸ばす。
⑤人は自尊心を満たすために努力する。
⑥称賛して自信をつけさせる。
褒めることは人間関係を良好な状態で維持するための基本のようだ。
最後に、奥田さんの言葉で気になることがあった。
「私はあくまでも職人だ。自分の手の届く範囲で最高の支援を作り上げる」と述べている。
この言葉になんだか人間的な狭さを感じてしまった。奥田さんは上に立つ者の磨き方を考える時期なのかと思った。次の言葉が役に立てば幸いだ。
①立場を超えて教えを乞う謙虚さが自分の世界を大きく広げる。
②部下が正直にものを言える組織づくりを考えてほしい。
これからますます学園が発展することを願っています。
ぜひとも頑張ってほしいものだ。
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