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【明石邦彦のつぶやき】IAC基準で考えると 2024/9/4
 3か月に一度、法人の理事会が開催される。理事会資料の中で、虐待案件、事故案件などが事業責任者から報告される。発表された案件は個々人で判断基準が若干違うので、レベルがずれることもある。その議論の時に大石監事から「IAC基準で考えるとどのようなレベルになるのですか」と問われたことがあった。「IAC基準って何だろうな」と思いながら理事会では議論の深まりはなかった。今期虐待等委員会の委員長に就任したので、改めてIACとは何かを調べてみた。
 パソコンでIAC基準を調べてみるとIはIncident(事故)、AはAccident(事故)で、CはClaim(主張)と掲載されている。日本語的にはAもIも事故とのことで区別がつかない。欧米人にはその辺の区別(AとI)の意味がはっきりとしているのだろう。特にIncidentとAccidentの微妙な意味合いの差は私にはわからないニュアンスである。そこで世の中の常識レベルの解釈をすると以下になるのかなと思った。
・Accident:予期しない悪い出来事や損害を伴う事故を意味する
・Incident:何らかの問題が発生し、アクシデント(?)になる一歩手前
この表現ではAがIより事故などのレベルが高いと思われる。なぜなら、Iの中にアクシデントになる一歩手前と表現されているからである。すなわち、Aの方が事故レベル(危険度)は高いということは何とか判断できる。IACや事故、虐待案件などの3つのジャンルのレベルを横並びに判断できる解釈が可能になれば大石監事の要望に応えることは可能となると思われた。法人内でも虐待や事故のレベルの重さが横並びに判断できると行政に報告するレベルも揃えることができるはずだ。
 さて、IAC基準という物差しはどのような分野で使われているものなのかを調べてみるとある病院の例に出会った。(表 1)
 この基準によるとIは何らかの間違った処方行為があっても治療の必要がなければヒヤリハット扱い、治療が必要で、入院治療や死亡まで含むとAという評価となるようである。例えば、誤薬の処方行為が行われても患者に影響がなく、治療の必要性がないと病院側が判断する場合はヒヤリハットとなる。我々の福祉分野の場合は誤薬で利用者が間違った薬を処方した場合は症状の如何に関わらず、行政への報告事項としている。誤薬を一種の虐待行為が行われたとして厳しく対応している。病院と福祉現場では判断基準は変わるが、福祉現場は病院(薬を大量に使う現場)と違う対応になってもやむなしかなと思った。また、クレームについては要望という意味でとらえると安全衛生面では危険個所の改善とかが職員や利用者からクレームとして挙げられるし、虐待という観点から考えると合理的配慮としての要望を取り上げるべきと考えれば、3つのジャンルの基準は全く同一ではないが横並びに比較できるのではと考え、横並びの表を作成した。(表 2)
 まずはこの考え方で3つのジャンルを横並びに考えていくことにしよう。ヒヤリハットは三つのジャンルからとらえてまとめていく所存だ。これだとヒヤリハットは激増することになるだろう。

表1 ある病院のIAC例
(Incident)
レベル0:間違ったことが実施される前に気が付いた
レベル1:間違ったことが実施されたが、患者には変化がなかった場合
レベル2:事故により患者に変化が生じ、一時的な観察が必要となった。
     安全確認のために検査が必要となったが、治療の必要がなかった
(Accident) 
レベル3:事故のために一時的な治療が必要となった
     事故のために継続的な治療が必要となった
レベル4:事故のために長期にわたり治療が必要となった
     事故による障害が永続的に残った
レベル5:事故が死因となった場合
(Claim)
・要望、クレーム

表2:位置づけ比較表





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