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【明石邦彦のつぶやき】IOCでのXY染色体騒動 2024/8/8
 オリンピックのボクシング競技で男性の染色体であるXY遺伝子を持つ2人の女性選手が出場している。そして、2人とも決勝戦に進出し、金メダルを獲得できる位置に来ている。最初に対戦したイタリアの女性選手は強烈な顔面へのパンチを2発受け、46秒で戦意を喪失し、棄権した。棄権した後にリングで大泣きした。以後、対戦した選手は敗れたのちにXの形で指を交差させ、対戦したことに不本意な意思を表現した。IOCは「パスポート上は女性である」と主張しているが、性分化疾患の事を考えれば果たして正しい判断であるかは疑問である。科学的なデータによるとこのようなケース(XY染色体を持つ)は男性ホルモン(テストステロン)が多く分泌されるので、パンチ力は女性の162%、脚力は65%、上半身の筋力は90%も優れているそうだ。「このような状態はステロイドを服用している状態である」というボクシングジャーナリスト(ピーター・バデル)もいる。確かにパンチ力が強力であれば打ち負かされると事故に結びつくこともあり、危険な問題を生じると考える。このようなケースを判断するために国際陸連におけるキャスター・セメンヤ(5輪800m金メダル2回)との長い法廷闘争を振り返る必要があるだろう。裁判の記録から漏れ出た情報によるとこの方は子宮と卵巣がなく、体内には精巣があり、通常女性の3倍以上のテストステロンが分泌しているそうだ。国際陸連では彼女を性分化疾患としている。このようなケースは性別検査をクリヤーした上で、テストステロン値が高い女性の出場資格を制限する処置をとっている。これを受けて国際ボクシング連盟は23年にXY染色体を持つ2人の出場を剥奪する処置をとった。なお、国際ボクシング連盟では内部抗争があるために、5輪でのボクシング運営はIOCがすることになった。IOCは従来通りパスポートの性別だけで判断し、二人の出場を認めている。2人が決勝戦で金メダルを取ったらXY染色体問題は再び議論されることになり、対戦相手の人たちから不公平との声は再度上がることだろう。XY染色体を持ち、テストステロン値が高い女性はドーピングしている状態となるので、制限を加えることには賛成である。そういえば昨年ペンションすずらんでミヤマクワガタの雌雄篏合体が見つかった例があったなと思いだした。





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