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【明石邦彦のつぶやき】大阪高裁での判断 2024/7/19
 7月2日に洋子理事長の元に障大連の古田さんから大阪高裁の裁判で提訴したGH運営側が勝訴した旨の報告が届けられた。地裁の判断を認めず、高裁での逆転勝訴となった内容である。都会のマンションでGHを運営する側にとっては懸念事項の解消となると考える。
 マンション管理組合が提訴したGHのマンション立ち退き問題についてR4.1.20大阪地裁の判決が覆った次第である。マンションの管理組合が提訴した言い分として「GHは住居ではないために(管理規約12条1項に違反)消防法上の設備増強(数千万円)となる恐れがある」とし、GH運営者に対して退去を求めた案件である。私はこの案件は切実な問題としてとらえ、当法人の監事を務める大石弁護士にお願いして判決結果の資料を送付していただいた。裁判の判例を紐解くと地裁の判事は「GH事業の特性として障害者が共同生活を営む住宅で、障害者を支えるために日常の生活上の支援が行われている」と理解されている。そうすると論点は消防法上の設備増強の問題かなと思われた。
今回の大阪高裁裁判は地裁の判断に対してGH運営者は異を唱えて控訴した事例である。
 私は論点が消防法上の問題であるならば消防署の判断次第であると思っていた。なぜなら、セソールマンションで同様の問題が生じた時に川崎市の消防署長の判断で、消防法令上の拡大解釈を認めてもらった経緯があるので、消防署の解釈次第(GH入居面積は120m2)で大幅な設備増強をする必要はないのではと考えられたからである。なお、住居と判断されると消防法上の問題もなくなり、多大な設備増強も避けられることになる。
 結果として高裁の判断はGHの言い分(①GHは住宅であること。②設備の増強でお金がかかる話ではないこと。)を認め、和解勧告がなされた。GHは障害者の住まいであると判断し、管理規約の12条1項に違反していないとの判断である。そして、和解勧告として、管理組合側とGH運営側に対して障害者基本法の基本理念の理解(共生社会、多様性)を求めている。今後も相互理解と協力関係の構築に努めることと述べている。その結果を受けてマンションの管理組合では管理規約・細則の改正が発議され、R6.6.29に承認されたとのことである。
 この結果はマンションをGHに活用している運営者にとっては朗報となり、今後同様な訴訟問題が起きた時の手引きになると考えられる。もともと消防法ではGHは共同住宅という説明があり、消防法の強化の時に名称が施設に変更された経緯を持つので、地裁判決は覆されるだろうと思っていたが、予想通りの判決になった。都市部のGH運営者にとってはうれしい限りだ。法人にとっても色々な手が考えられるなと思う判決だった。





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