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【明石邦彦のつぶやき】昆虫採集におけるツキノワグマ対策とは |
2024/6/28 |
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奥多摩で動物観察を続けている人の番組を見ていたら、人の住まなくなった民家の庭にある柿の実を食べにくる動物が何匹か写っているシーンがあった。その中にタヌキやサルとともにツキノワグマも認められた。熊も越冬のためにブナやドングリの実しっかり食べて、脂肪を貯め込む必要性があると説明された。奥多摩の熊が増えれば隣接する大菩薩でも熊が多く出没することになるだろう。3-4年前になるだろうか、焼山沢真木林道を上がった所に四阿があり、そこで虫を取っていると森林作業をしている人から「この前、熊が出たから注意するように」と情報をいただいた。それ以来、鈴やブザーを購入して、車に常備するようにしている。幸いにして大菩薩の昆虫採集では出会うこともなく、参加した皆は無事であるが、注意は必要である。
秋田では根曲がり竹の時期を迎え、ご老人の方が山で熊の被害にあわれることが多くなった。中には怪我だけでなく、命を失うケースもある。熊の出没がみられた地区では入山禁止の措置がとられているようであるが、高価な根曲がり竹は副業としての魅力もあるので、入山者が増える傾向にもなっている。ベテランの人に限って言えば「熊なんてめったに合わないよ」、「毎年来ているから」、「自分は大丈夫」となるようで、入山禁止は効果なしとなっているのでは。いくつかの事件を調べてみると熊から見ると人間も食べ物であるようだ。残された遺体も食害の跡がみられるケースがある。熊から言わせれば自分が獲得した食べ物(人間)なので、行方不明者を探しに来た警官は自分の食べ物を横取りに来たものとして襲ってくるようだ。熊にとっては根曲がり竹以上に人間はおいしいものかもしれない。そうなると鈴の音は「おいしい人間はここにいます」と知らせるようなものだ。
近年の熊の出没回数の多さは「ドングリやブナの実の不作だ」という理由だけでなく、山の幸が豊富な時は何匹かの子供を宿していることもあり、春先の食糧確保は大事である。子熊を連れている母親には子供を守る本能のもとに攻撃してくるので、子熊を見かけたら要注意と心がけねばならない。また、人間は食糧を持っているので、おにぎりを奪っていく熊もいるそうだ。こうなるとおにぎりが救命主となる。何とも皮肉な話だが。
さて、虫を取っているときに熊と出会ったらどうしようかと思っている。咄嗟のベル鳴らしでは熊の襲撃は避けられそうにもない。後ろを見せて逃げると熊は追いかけてくる性質があるので、じりじりと下がりながらもファイティングポーズをとり続ける必要がありそうだ。私どもが持っているのはタタキ網と長竿と網である。直径60cmの捕虫網を熊の頭にかぶせて、熊の視界を奪い、手を使わせないようにして敏感な鼻を殴りつけるなどの対抗手段を考えなければと思う。うまくかぶせられるかが運命を決めそうだ。車の中なら警笛を鳴らせば山の中に逃げ込んでくれるだろう。いずれにしても林業関係者などの情報が必要だ。ペンションすずらんに泊まっていると深夜に飼われている甲斐犬が吠えるときがある。何らかの野生動物がペンションに近付こうとしているのを察知して吠えているのであろう。こうなると深夜の灯火採集も警戒する必要がありそうだ。
画像:1.根曲がり竹 2.ツキノワグマ
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