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【明石邦彦のつぶやき】またまた50年ぶりのニセハムシハナ 2024/6/27
 6月22日にクロサワヘリグロハナとニセハムシハナを狙って大菩薩、大峠へ出かけました。マタタビの花と栗の花で、ハナカミキリをたくさん取るつもりでした。また、ミズキの花が残っているとクロサワヘリグロハナも狙えるかもと思っていました。
 大菩薩も大峠も高度600m位までは栗の花が真っ盛りです。しかし、集落付近ではカミキリは集まっていません。源次郎岳下の公園(1400m)の栗の花は残念ながら咲いていなくて、あと2週間くらいはかかりそうです。大菩薩湖回りもまだまだです。ミズキはもう散っていて期待できません。これではクロサワヘリグロハナはあきらめるしかありません。そのため、マタタビの花に焦点を絞る必要があります。マタタビの花ではピドニア類は多いのですが、それ以外のカミキリは少ない傾向があります。
 さて、私はマタタビの花でニセハムシハナを取った経験はありません。この大菩薩では25歳の時にズミの花でたくさん採った経験があります。味の素の創立記念の日(6月17日)に山好きの同僚と塩山駅からバスで裂石に行き、そこから一気に急登を登り、長兵衛小屋で1泊しました。友達は大菩薩嶺に、私は旧大菩薩館跡で昆虫採集です。大菩薩館はちょうど壊したばかりで、小屋の前は開けた土地があり、ズミの花が真っ盛りでした。花を叩くとニセハムシハナがたくさん落ちてきた記憶があります。50年近くたちズミの花が咲いている所を探したりしましたが、ズミの花自体がありません。その後、ロッジ長兵衛小屋よりも高い所にある福ちゃん荘付近でズミを見つけた記憶はありますが、足が衰えた今、そこにはたどり着けそうもありません。大菩薩ではマタタビは登山道の至る所にありますが、まだ本命を見つけることは出来ていません。昔のデータから推測すると親水公園付近のマタタビに注目したらよいのではと考えていました。しかしながら、大菩薩湖ができてから環境がすっかり変わりました。昔の樹林が残っているところは上日川峠から親水公園までと推測しての採集です。親水公園のマタタビは今が満開でした。須賀さんが「なかなかいい虫がいません」と網を持ってきました。私が見ると探していたプックラとしたニセハムシハナがいました。「須賀さん、これだよ!入っているよ。」と声をかけて、懐かしい本命を毒瓶に入れました。これで今回の目標を達成したことになります。日川林道もマタタビが多いので、探しましたが、取れません。樹林帯が切れているので、いないのかもしれませんが、数年の調査が必要でしょう。また、日川林道では初めてアナグマを見つけました。なかなか逃げようとしませんので、車の中から野生動物の観察に浸りました。下部温泉のカモシカといい、今年は野生との出会いを感じる年です。しかし、熊さんはご遠慮したいものです。
 なお、ニセハムシハナと最初に出会ったのは大学2年の時の上高地です。上高地は採集禁止地区があるので、松本駅からバスに乗り、島々谷の岩魚止め小屋で一泊し、島々谷を登り徳本峠までの道のりで採集しました。登山道にはショウマの花が咲いており、徳本峠の山小屋近辺まで到達したところでようやくニセハムシハナを取った記憶があります。いずれにしてもお久しぶりとはいいものです。
 2週間後には栗の花も咲いていることでしょうから、ハナカミキリのワンサカを期待したいものです。
 なお、前日の雨のお陰で大峠から見る富士山は大変きれいでした。及川さんから写真を送っていただきましたので、掲載しました。このように楽しい経験を積むことこそが高齢者が生き生きできる秘訣ですね。

写真:1.ニセハムシハナ 2.マタタビの花 3.4.大峠から見る富士山(及川さん撮影 あまりにもきれいだから2ショット)


   



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