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【明石邦彦のつぶやき】５０年ぶりのミヤマルリハナ |
2024/6/11 |
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下部温泉への２回目の採集行（６月８日）を実施した。今回は栗とミズキの花でカミキリとの出会いを楽しみにして、総勢６人で出かけることにした。昆虫採集とは別に湯之奥猪之頭林道のトンネルから出た富士山を見ることも目的の一つにした。なお、三石山基幹林道は３８．８Kmと長いので、JR下部駅ではなくJR井出駅から入る道を選んだ。前回とは逆のコースである。三石山林道は高度が低い（５００～８００ｍ）ので、夏場は午後の温度は高くなる。そのため虫は午後の花には集まらないように書いてあったので、あえて逆コースをたどることにした。井出駅から三石山林道に出るまでの道は道幅が狭く、対向車があれば譲り合わねばならない。すれ違いの広い所まで戻るのも難しいような山道である。途中でカエデの木が多いので、春向きのコースともいえる。ナビ係の適切な案内で基幹林道の入口に出ることができた。さて、これから戦闘開始であるが、栗の花とミズキの花は咲いていなくて、困った。ヒメウツギの花は咲いているのだが、この花にはあまりカミキリは集まっていない。ただ、道すがらカラスザンショウは多いので、夏場に花が咲いた時にはオオアオやスネケブカなど狙うことが出来そうである。また、林道には落石が多いので、大きな石などがあるときには取り除くために降りるので、時間がかかった。そのため、ヒメウツギが咲いていても通過のやむなしである。展望台付近に栗の花があったが、まだ完全には開いていないが、カミキリは飛んでいるようなので掬ってみるとクロルリハナが採集できた。シロトラやホソトラなども見られたが、数が少ない。満開の栗の花に出会いたいものだ。その時、湘南ナンバーの人が挨拶していった。なんでも、この辺は栗が少ない所だという話である。サドチビアメイロがいるとのことであるが、どこか別の所の栗の花であろう。ペンションすずらんの澤井さんをご存じなので、ベテランの方とお見受けした。途中、シカの姿を見かけたが、突如ニホンカモシカの黒みがかった姿が、道路からダイビングして樹海に消えていったのには驚いた。谷の傾斜がきつい所なので、大丈夫かなと思った。１２時近くになったので下部温泉の最上部にある蕎麦屋「かど久」で天ぷらそばを頼んだ。注文があって作るそうである。客も多かったこともあり、食事が終わるまでPM２までかかり、大きな時間ロスとなった。これなら、下部ホテルでイタリアンでも食べれば早かったのかもしれない。ぶつぶつ言いながら湯之奥猪之頭林道の峠にあるトンネルに向かった。食事でおなかが一杯であるので、なかなか採集意欲がわかなかったが、虫取りに来ましたのでと言い訳がましくガマズミの花の咲いているところで停車し、採集した。私が学生時代（１年生）に英彦山のカエデの花で採集したミヤマルリハナを石井さんが採集した。６０年ぶりの再会であったので、自信がなかったが、図鑑で調べると本物であった。また、及川さんが車に付いていたトゲヒゲトビイロを採集した。及川さんは所々でいい虫を取るので、「なにか持っている男」と名付けられた。時間が遅くなるので、下部温泉には戻らず、トンネルを抜けて朝霧高原に向かうことにした。
峠のトンネルで富士山の姿を期待したが、午後は雲がかかり、白雪のある頂しか見えなかった。残念だ。急こう配を降りながら、途中、ローソンで休憩すると牧場特有の強烈な匂いが漂ってきた。近くにキャンプ場があり、家族連れで子供たちが遊んでいたが、臭いを気にしていない。全員嗅覚がマヒしてしまったのだろう。東名高速道路に乗ってしばらくすると及川さんがヤマヒルに吸血され、出血していた。靴下が短いスニーカー用ソックスなので、靴についたヤマヒルはむき出しの足首で血を吸いやすかったと思われた。ヤマヒルはヒルジンという血液が固まらない物質を出すので、しばらく血は止まらないだろう。皆さんから「流石に何か持っている男はヒルまで持ってくる」と話題になった。次は大菩薩で頑張ってほしいものだ。高度が１４００ｍとなるとヒルはいない。
写真：1.ニホンカモシカ（濃い青みがかった灰色だった） 2.ミヤマルリハナ 3.展望台から見た富士川河川敷 4.ミヤマルリハナを取った人
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