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【明石邦彦のつぶやき】下部温泉郷の林道を訪ねて |
2024/5/15 |
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5月11日にペンションすずらんの館長さんより奨められていた下部温泉の湯之奥猪之頭林道と三石山基幹林道を訪ねた。次回の採集行も考え、栗やリョウブの木があるのかを確認しながらの視察であった。この日は朝から天気がよく東名高速道から見る富士山の雄大さを堪能しながらの旅だった。清水ICから中部横断自動車道の身延でおり、下部温泉郷に向かった。身延山久遠寺の麓を拝めたらと思ったが、川向こうのようだ。広大な富士川の河川敷を走行しながら下部温泉郷に入った。湯の街の道幅の狭さに驚きながらまずは湯之奥猪之頭林道に向かった。山越えのトンネルの所まで道は通じているが、富士宮方面は交通止め(5月16日解除)で引き返すことになった。高度は1000mを超えるので、気温は10℃を越えるくらいであった。これではカエデの花が咲いていても虫は集まらないと判断し、採集は三石山基幹林道の方へ切り替えた。この林道は300~700mの高度である。晴なので、10時以降は気温も上がるだろうと考えた。高度が低い所ではミズキの花が咲いている所もあるので、日当たりのよいところで気温が上がればカミキリはいると予想される。最初の頃のミズキの花ではカミキリはいなかったが、暖かくなるにつれて、シロトラやホソトラがとれはじめた。林道の途中で見晴台があり、富士川の河川敷を見下ろすことができた。なんとも広大な河川敷である。私は足が悪いので、足がすくんでフラフラした。早々と見晴台から退散である。その後、ツマグロハナやクロルリハナ、トガリバアカネトラがとれ、採集にも力が入ってきた。また、キンケトラやシラケトラなど珍しいものもとれ始めた。ミズキ以外のハナも咲いており、多分ヤブデマリと思うが、その花を掬ってみた。ホソトラばかりであるので、種類が限られて面白くないねと話をしていたところ、ヤブデマリの花を掬った私の網の外側に、トガリバアカネトラに似たカミキリがくっついていた。なんだかズングリしているなと思って、よく見てみるとヨコヤマトラであった。ホソトラのようにチョロチョロとは動かないので、私に早く採ってくれないと逃げてしまいますよと囁きかけているようにも思えた。思いがけない虫が採れたのであるが、あまり感激しなかった。大菩薩や伊豆半島でも探し回った虫なのに淡々とした自分がいるのに驚きである。このカミキリは色合いが地味なせいかもしれない。
さて、三石山林道は40kmの長さだから何時間もかかりそうである。高度も低いので夏場は朝だけとなるかも知れない。お昼は下部温泉郷で食べ、帰りは湯之奥猪之頭林道で採集かなと思った。富士宮側に降りれば吉田うどんを食べれるのではと思いながら視察を終えた。最後に大珍品がとれたことで大満足の視察であるはずであるのだが、夏場の暑さだけが心配だ。大菩薩の1400~1600mの涼しさとは比較しない方がよいのかな。お疲れさまでした。
写真:1.ヤブデマリ 2.ミズキ 3.ヨコヤマトラカミキリ 4.トガリバアカネカミキリ
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