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【明石邦彦のつぶやき】桜並木が消える! |
2024/5/8 |
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GWの最中に床屋さんを訪ねると2回目のクビアカツヤカミキリ(クビアカ)の記事を渡された。桜前線の北上が見られなくなることへの警鐘版だ。桜の並木がこのカミキリの被害にあって、切り倒され、桜並木がなくなっていくことを憂えた内容である。このカミキリは梅や桃、柿も食害するので、果樹農家にとっても影響が大きく、大問題である。クビアカの幼虫が出すフラス(幼虫の糞と木くずの混合物)を見つけると懸賞金も出ている状況である。懸賞金は以前500円/10匹であったが、今や幼虫やフラスの発見で、1万円と言われており、金額アップは切実さを窺い知るばかりだ。
記事によればクビアカは2012年愛知で確認され、それが埼玉、群馬など関東圏にも広がり、さらに、和歌山、奈良と被害は拡大しているとのことだ。クビアカはもともと中国や朝鮮半島に生息し、卵を産み付けられた木材がそれらの国から日本に輸入され、木材の中にいた幼虫が成虫となって繁殖したと言われている。いったん繁殖するとなかなか撲滅が難しい外来種である。私は分類学的には日本にいるジャコウカミキリやオオアオカミキリなどの仲間に入るのだろうと思っていた。この虫は25-50mmの大きさだから日本産のカミキリと同じような大きさである。神奈川県では21年に確認されているので、一度お目にかかりたいものだ。職員にも伝えて、桜や梅の木のまわりを注意して探してもらおう。
学名を調べてわかったことだが、ジャコウカミキリとクビアカツヤカミキリは同属であった。外見は非常によく似ている。写真を比較してみると類似していることにすぐに気が付くはずだ。クビアカの方はツヤ(光沢)があるということと濃い群青色が特徴である。一方、ジャコウカミキリは首の赤(首が緑の虫もいる)は同じだが、つやがなく、日本では北海道にしかいない。実物は見ていないので、正確な比較はできないが、学名が同じなので、最も類縁が近い関係であると言っていい。いずれにしても名所・旧跡の桜が無くなることは問題だし、梅や桃などに被害が及ぶと収量が激減するので、問題だ。嫌な外来種である。
1.ジャコウカミキリ Aromia moschata orientalis 2.クビアカツヤカミキリ Aromia bungii
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