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【明石邦彦のつぶやき】ウコギの垣根 |
2024/4/23 |
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家に帰る途中で、たまたま職員の家の前を通りかかった。庭師の免状を持っている方なので、庭先の樹木の手入れしているのだろうと思いながら挨拶を交わした。手入れをするのも大変だろうと思いながら手元を見てみると垣根の若い芽を摘んでいた。ボールには摘み取った若い芽が一杯だった。「何をしているのか」と聞いてみたら「ウコギの芽を摘んでいる」とのことだった。ウコギといえばCMで見る「野草酵素」で使われているエゾウコギの葉が思いだされた。エゾウコギはTV画面で見るとトゲがたくさんあり、北海道の開拓では邪魔な存在として扱われた。そのため、数が少なくなったとのことである。しかし、今では滋養強壮の効果を持つものとして取り上げられている。
さて、芽を摘んでいるウコギはTVで見るエゾウコギとはずいぶん違っている。あまりトゲはないようだし、垣根にするとは変だなあと思っていた。そうしたら、職員の口から上杉鷹山のウコギの垣根の話が出てきて驚かされた。米沢藩9代目の藩主である上杉鷹山の改革はよく知られているのだが、ウコギの垣根の話は思いもしなかった。彼から「まずは若芽を味わってごらん」と言われたので、そのまま齧ってみると苦みを感じた。木の葉が滋養強壮となると吐き出すわけにはいかない。上杉鷹山は健康のためにウコギを推奨して垣根にして植えさせたようだ。鷹山の歴史を紐解くと確かにウコギの垣根を推奨したとある。彼はなんでも米沢の実家から苗を送ってもらい垣根にしたそうである。垣根用の竹も建材ストアで買ってきて、組み上げたそうである。年月を経た今はウコギの竹垣が立派に仕上げられている。ウコギは酢の物やおひたしで食べるそうだ。米沢藩の改革に力を注いだ鷹山の意思がここにも反映されていることに感心した。調べてみるとこの木はヒメウコギと言い、中国から薬用に輸入されたもので、直江兼続が米沢に導入したとの記録があった。ウコギ科の植物は他にも(ウド、タラノキ、コシアブラなど)あるようだが、薬効についてはあまりよく知られてはいないようだ。春の山菜としててんぷらにするのはよく知られているのだが。
画像:1.ヒメウコギ 2.エゾウコギ
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