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あおぞらブログ


【明石邦彦のつぶやき】強度行動障害者への服薬 2024/3/29
 2月に起こった利用者の暴力的な行為での緊急措置入院で、環境を整備することの重要さもわかるが、それだけでは、改善ができないのではと考える。何とか現状を改善しようとして、頑張った支援員が疲弊する事態である。その時に専門医からアドバイスをいただいた。話を聞いて、医療的ケアの必要性も大事だと感じた。ただ、親としては利用者の薬を増やすことには強い抵抗感があることもわかる。親は利用者の症状を見ながらどう対処するかの決断を迫られる。
 アドバイスを受けて私なりの考察を加えると2点(マウントによる暴力での制圧と適薬と適量の服用)であると考えられる。
①ASDの傾向を持つ利用者さんのこれまでの人生は他人により自分の意思を押さえられてきた歴史である。しかしながら、年齢を経るに従い、腕力がついてきて、マウントを取れるようになってきた。そうすると自分の意思を通すために、力(暴力)を使うようになった。本人はこのような表現方法しか知らないからである。今までは人の指示を待つ人であり、大人しくて、素直だし、問題がないと思われたが、一端、力関係が崩れると暴力をふるうことしか自分の意思表示ができないので、今回のような問題となると考えられる。
②これを契機に服薬を考えるべきである。すなわち、医療的なケアで体調面を調整していくことが必要である。使用する薬もその人に合った薬を適正な量で使えるようにすべきである。本来ならば兆候が見えたら、問題が大きくならない内に服薬を考えても良かったのかもしれないが、家族を説得するのは容易ではないことがわかる。
さて、ASDなどで使われる薬について調べてみるとかなりの数の薬があげられている。
 感情をコントロールする薬として一般的に使われることが多いのは抗精神病薬である。第1世代の定型抗精神廟薬(ドーパミンにのみ作用)、第2世代の非定型抗精神病薬(ドーパミンだけではなくセロトニンや他の神経伝達物質に作用)の2種類である。法人のGH在住の方でも第1世代が3人、第2世代が8人とかなりの人たちが服薬している。残念ながら措置入院された方はてんかんの薬だけが処方されており、指示待ち族で、おとなしいので、抗精神病薬は処方されてはいなかった。措置入院した病院では落ち着かせるためにリスパダールが処方されたと聞いている。そのため、少し落ち着きを取り戻したとのことだが、相も変わらず腕力を使って、他人を追い出すという拒否の態度は変わらないようである。これではGHに戻ってきても他の利用者にとってリスクが大きいといえる。現場での受け入れはなかなか難しいなと感じてしまう。どこかの病院で薬の調整が必要ではないかと思っている。
 それとは別に、私の法人で強度行動障害である自閉症の方で、服薬により良い方向に行動が変わった例があった。大きな拍手音や自傷行為、飛び跳ね等、他の利用者にとっては大変迷惑な行動を持っていた人が2年ほど前からエビリファイ(第2世代の薬)を飲みだしてから迷惑な行動が収まった。服薬のきっかけは母親が本人の感情の高ぶりや情緒の不安定さが目立つようになったことを気に掛けたからである。母親がかかりつけの医者に相談したところ「感情をコントロールする薬」の服薬を提案されたそうだ。当初は服薬に否定的であった母親も「息子が感情を自分でコントロールできない状態はどんなにかつらいことだろう」として服薬を決断したとのことである。効果は3か月後から現れ始め、血中濃度も異常はなく、薬が合っていることも確認されたようである。感情が高ぶり、困っているのは本人であり、困っていない他の人が服薬の有無を決める事ではないように思った。本人の困り感を優先して服薬を考えなければと思う。ただ、家ではこだわりを理由に息子との大なり小なりのせめぎあいはあるようである。しかし、母親は本人が望むことを極力叶えるように心がけているそうである。やはり、本人の望むことがすべて×ではないことが、本人にとって良薬であるようだ。〇の事柄が増えると本人も前向きに考えて行動できるのであろう。この話を聞き、感情の爆発(行動を制御できない)で困っているのは本人(当事者)であると改めて思う次第である。感情をコントロールできる薬があり、自分の意思表示を大切に思う自分がいることに本人は気が付いているのではと思うと万々歳である。





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