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あおぞらブログ


【明石邦彦のつぶやき】ノーベル賞の受賞週間が始まった 2023/10/12
 10月に入り、ノーベル賞の受賞者が1週間単位で発表されるようになった。化学賞については4時間前に受賞者名が漏れるフライングはあったが、大きな問題とはとらえてはいない。さて、先陣を切った生理学・医学賞はコロナ禍を救ったカタリン・カリコ氏とドリュー・ワイスマン氏となった。昨年も少し早いかもしれないが、本命の受賞候補だと思った。今回の受賞は順調な結果だと思う。コロナ禍におけるmRNAワクチンの開発は画期的なことだった。武漢で発生したコロナが世界中に広がると人類が危険にさらされると思ったが、従来ワクチンと違い、鮮やかな効果でコロナの拡大を防いだ。今後発生するウイルスに対して大きな武器をいただいたように感じる。最初にmRNAワクチンの開発情報が知れ渡ったときに私は理解するのに時間がかかった。説明を聞いてもなかなか理解ができず、どうやって炎症を抑えるのかなど、この技術手法についてもすんなりと理解するには難しかった。今では変異株が出るたびに迅速な速さでワクチン開発が行われる時代となった。私はXBB株の感染力に不安を感じたが、9月20日以降はそれに対応するワクチンが開発され、7回目のワクチン接種の受診票が送られてきた。科学の進歩が人類を救う大きな手立てであることを実感した。
 さて、ハンガリー生まれのカリコ氏は国の研究費が十分ではなく、研究環境の良い米国に移り、大学を転々としている。また、ペンシルバニア大学では冷遇(降格)され、苦労されたようである。苦労を味わった結果だと思うが、彼女はいくつかの心に響く言葉を発されている。ノーベル賞を受賞する人たちには人生の味わいのある言葉が自然と出てくるようである。
 私の解釈なりに短く纏めてみた。彼女の本意をついていないかもしれないが、私が感じたことを上げてみる。
①女性の科学者向け:
・家庭を持っていることと科学者でいることのどちらかを選ぶ必要はない。子供はあなたを見て、見習います。あなたが子供の模範になることが重要なのです。
・自分のしていることを楽しめなければやらない方がよい。簡単に結果が出るものはないけれど楽しいからこそやっています。
②科学者向け:
・人の昇進などを見て自分を哀れに思っている暇はありません。次に自分に何ができるのか
を探すのにエネルギーや時間を費やすべきです。
③一般向け?:
・人生は公平ではないが、それを最大限に活用する必要がある。
  いろいろと含蓄ある言葉だ。

 最近思うことは日本人のノーベル賞の受賞がみられないことを寂しく思う。基礎研究への資源投入が行われないとますます日本の研究がピンチとなるだろう。「選択と集中」も良いが、幅広く研究することも大切な時代だなと思うこの頃である。研究すると色々な結果が目の前を通り過ぎていく。その事象をとらえて最大限活用できるかは研究の意義を常に意識しているかによるようだ。それがセレンディピティ―をもたらすということだろう。





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