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【明石邦彦のつぶやき】8050問題における親と兄弟の考え方のズレはいかに! 2023/8/23
 老障介護の問題で思うことは年を取った親の考え方を変えることが最大のポイントである。障害を持った子供の将来を心配しての考え方が問題となる。子供の将来を含めてどのような考え方で障害児を育ててきたのだろうか。自分たちの最後のお別れが近づいて、慌てて考えても後の祭りだ。親が不憫だと囲い込んだために年相応な経験を積んでいない障害者は伸びる芽を摘まれた結果の姿である。自立のための事象を習得できなかった障害者の人生は暗い。本来は小さい時からの積み重ねで自我の形成も行われるし、賢く学んでいくものだ。獲得する技は数が少ないけれど自尊心や人権に目覚めていく。僅かながらの自己主張も大切な成長の証でもある。
 また、親の兄弟への思いも兄弟の人生に大いに影響すると考える。兄弟に障害児を託すという考え方をしている親御さんがいまだ多い。親たちの死後に障害児を託された兄弟はそのために、自分の人生の選択肢が狭まった感じがするのではと考える。兄弟にも人権はあるものだ。幼い時から耳にたこができるほど「あなたがこの子の面倒を見るのよ!」と親に刷り込まれると兄弟は自分の人生を息苦しく感じないだろうか。障害児がいることを隠して、好きな友達とお付き合いするのも気苦労の多い話だ。兄弟は自分の願望を押さえて、障害者の面倒を自分が見なければと思うと一種の人権侵害である。障害児の兄弟を調べてみると独身者が多いのも気がかりである。親の言葉に従ったために結婚もできず、悶々とされているのではと考えてしまう。世間には成年後見制度もあり、大半は施設の支援者に障害者を任せるとしても、最終的な判断の場において障害者が立ちいくように考えればよいと思うと心の負担は著しく減るものである。兄弟にも人生の道を自分で切り開き、己が才能を発揮できる場を作れるように親は心がけるべきである。兄弟に親の呪縛(障害者の面倒を見るという)に疑問を持たせるのも8050問題解決の一つの攻め方でもあるようだ。兄弟の人権面からの立ち位置を親に理解させる落とし方もあるのではと考える。
 また、私が障害者の相談支援に与るなら8050問題に直面する家族の意見を調査して、親の考え方、子供の考え方を浮かび上がらせる努力をするであろう。その結果としてある仮説、理論を組み立てて、行政と一緒に対応していくのだが。8050問題をそこまで研究的に取り組む人がいないことについて憂えてしまう。理屈がないと世の中は動かせないものだ。このような問題を先送りしていては根本の解決には至らないものだ。若い時から障害者の5年、10年先を見据えての長期的フォローが必要なことは自明と思う。家族を含めて小さい時からこれがなされていれば8050問題は消えていると考えたい。





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