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【明石邦彦のつぶやき】セカンドライフに何を求めるか? |
2023/8/9 |
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昨年、私は喜寿を迎えた。妻も今年の3月に喜寿となった。私が味の素を退社してから約20年経過したことになる。妻が立ち上げたあおぞら共生会に参加することを決断したのは私が55歳の時だ。法人の理事長には男性がよいということで味の素在職中(経営企画部)に兼任することになった。以前、味の素では兼業が認められなかったが、福祉団体ということで、経営会議で特別に承認された。今の時代なら理事長という役職は男女平等ということで、福祉分野で活躍する妻が起用されてもおかしくはなかったことだろう。そうして23年が経過した。その間に数多くの施策を打ったつもりである。
味の素で理事・顧問を務めながら法人の理事長として法人の経営状態を調べてみると財務の健全化が必要なことが分かった。妻には組織強化や財務健全化の施策立案は荷が重そうだったので、私の経験が役立つように思えた。それからが私のセカンドライフの始まりである。平成13年から約20数年で、従業員を70名ほど抱え、純資産も100倍以上(4億円)となった。私でも少しは法人のお役に立っているのではないかと思っている。
さて、平成元年に作業所を開設してから、30年経過したので、令和元年に思い出の30周年記念誌を発刊しようということになった。その時に古参のKさんから「過去の体験をつづるのは面白くないし、将来を担う人にとっては参考にもならない。何か違う形のものができないか?」と問われた。よく考えてみると「過去にこんなことをやりました」と昔の成果を並べると読者には単なる自慢話かと思われてしまうだろう。また、中身も面白くなく「積んどく」されるか、捨てられるかの選択しかなさそうである。
その時、あおぞら共生会を一枚岩にするためのMAP計画(10年の長期計画)を作成中であったので、これをベースにあおぞら共生会がどんなことをなしたのか、はたまた、これから何をなそうとしているかの方向性を示そうと思った。共生会のDNAを振り返るとともに、新たな目標を事業種別に考えたものを書き記すと30周年誌が作れるのではないかと考えた。味の素で学んだ経営戦略の適用である。これが令和2年度に「地域に生きて」という本の出版につながった。出版時には明石洋子さんが全国で講演し、その時にこの本を紹介すると売れると思ったが、残念ながらコロナ禍で講演中止が相次ぎ、販売拡大のチャンスを逃したようである。これからは本の中に示された思想を引き継ぐべき人材の育成と組織の発展が必要なこととなる。私は20年の節目に理事長を辞し、顧問に就任する予定である。明石洋子さんに次の理事長をやっていただくが、高齢なので、2―3年間程度とし、次の世代にバトンタッチを考えている。そうなると3代目の理事長の手腕に法人の将来が託されることになる。そこで、上に立つ人の志が事業の維持に努めるか、拡大を志向するかが問題となる。味の素に入社した時に、社内誌に専務の五宝さんか、昆布さんかは忘れたが、「会社の発展は自分よりスケールの大きな人にバトンを渡すことである。」という言葉を思い出した。法人の発展を願うには3代目はカリスマ性を備えた人を据えた方がよいのかもしれない。法人の現在の主力メンバーはNo.2の役割に徹して、3代目の理事長に協力しながら、自分一人ではできなかったような大きな仕事を仕上げることを大切にした方がよいのではと思い始めた。そうすることで主力メンバーも70歳を超えるまで生きがいをもって過ごせるのではないかと考える。お互いがWin―Winの関係で社会的な貢献を果たすことで満足してくれるのではないだろうか。そうなると外部に人材を求めねばならない。この年でそのようなことをやるには荷が重いような気がする。本来ならば市議会議員であった飯塚さんが担ってくれるはずだったのにと思いをあらたにした。飯塚さんが昨年逝去されたのはとても残念でならない。70歳過ぎるとセカンドライフには健康が大事なことだと気付かされた。
さてさて、一般の人のセカンドライフは仕事をしていかねば生きられない時代にもなっている。生涯現役のつもりでないと豊かな生活?は送れないことになってきそうだ。年金も先細りであるから、他の所で収入の上積みがないと苦しくなることだろう。年代が上がるに従い、人との付き合いは狭まり、孤独感は増すものだ。これをはねのけるには働くことによっての賃金の獲得とともに対人関係の維持・拡大が必須である。賃金を獲得する場が社会貢献に結びついていれば幸いだ。昔のように年金のみで余暇を楽しむということはなんだか夢物語になりそうである。生涯働くことを前提にするには健康の維持に努めて、ストレスがない生きざまが必要になる。セカンドライフの充実は年をとっても社会のお役に立っているという意識が必要だ。お金では苦労するが、心に余裕ある生活を送りたいものだ。
今現在私は理事長を降り、少し暇となった。時間を持て余さないような生きがい作りが必要な時期だと認識している。
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