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【理事長 明石邦彦のつぶやき】「いつも見ているような虫を取りました」 |
2023/6/16 |
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２週間おきに大菩薩と大峠に採集に出かけている。今回はミズキとマタタビの花に焦点を当てるとともに、貯木場に飛来するカミキリを狙っての採集行である。そのために時間を考えて、採集コースの予定を組みこんだ。また、栗の花の開花状況を確認し、７月の一泊旅行に備えた。
７時半には甲斐大和の県道２１５号に入り、大菩薩湖畔の北岸に向かった。途中でマタタビの花を探すと咲いていることが分かったが、車道の一時ストップでは後続の車に迷惑がかかる。また、試しに掬ってみても本命のニセハムシハナには出会えなかった。車道から外れて北岸の親水公園に向かった。この地点のマタタビは日陰の所為かまだである。２週間後くらいで開花するだろう。湖岸を一回りするとミズキの花は咲いてはいるが、シロトラくらいで、皆の意気は上がらずである。早速、深沢林道の貯木場に向かったら、貯木の積直しをやっていた。作業の迷惑になるので、通り過ぎることにした。その時、木材の運搬にあたる人が「何をしているの」と問いかけられたので、貯木場にカミキリがいるので見に来たと伝えた。「へ―そうなの。虫がいるのか」と会話した。いずれにしても危なそうで、作業をやっていないときに来てみよう。引き返し、ペンションスズランの手前にある新しい貯木場に来ると一人の方がネットを振っていた。挨拶したら、「シナやハンノアオ、ハイイロハナなどが取れた」との話である。そうか、それなら、７月の夜間採集ならたくさんのカミキリが取れそうだと判断した。材木を点検していたら、ヤマカカシがとぐろを巻いている姿を発見した。皆で「こちらを睨んでいるぞ。注意しろ！」との会話である。鎌首をもたげているところを見ると攻撃性がありそうなので、その付近の木で虫を捜すのはご遠慮した。多分、飛来するカミキリやゾウムシなどを食べるために居座っているのであろう。昼食のため早目に切り上げて、すずらんのおかみさんにご挨拶した。食事後にお土産としてワインを注文すると沖縄甲虫図鑑をいただいた。以前から本が発刊され、売り場に置いてあったが、沖縄に遠征することはないので、必要なしと思っていた。おかみさんの知っている方が出版されているので、是非にということらしい。お礼を述べるとともに、カミキリハンドブックを５冊ほど注文した。さてこれから、大峠のミズキの花でクロサワヘリグロを採集するつもりだ。前回に続いて採集するために気合を入れ直した。前回採集した所のミズキは花が散っていたので、もう少し高所のミズキを探すことにした。奈良子林道の入口にミズキがかろうじて咲いていた。４人がかりでネットを振るったところ、Tさんから「いつも見ているような虫を取りました」と声が上がった。どれどれと覗き込むと本命のクロサワヘリグロハナである。いつも懸賞金がついた採集リストに載せている虫である。今年は前回に続き２頭目である。４人とも元気になり、高度を上げてミズキを探したが、ついに取れずじまいだった。前回は高度１１００付近、時刻はPM２：３０。今回は１２３０ｍ、ＰＭ３である。やはり昼過ぎの時刻である。研究的には大峠で１日過ごし、いつの時間帯にクロサワヘリグロが活発に動くのかを確かめたいのだが、それだけの時間的な余裕はない。いずれにしても終わりが良くて、皆、上機嫌で帰途に就くことになった。
さて、最近奇麗な虫を取るようにしている。Fさんの樹脂加工のお役に立つ素材を集めることにした。たまたま、ぶどうの枯枝をたたいたところヒトオビチビヒラタが落ちてきた。Sさんに説明していたところ足元に落ちていたシカの糞（ホヤホヤ）にセンチコガネが群がっていた。しばし、観察していたところの写真である。生の糞にしがみついて塊を切り離そうとしているもの、我々に気づいて、横穴に潜り込もうとしているものを観察した。センチコガネは奇麗な赤銅色をしているフンコロガシである。これは良い素材として持ち帰ることにした。Fさんの所に奇麗な虫を持ち込んで、樹脂に閉じ込める技術に熟達していただこう。授産の製品につながるかもしれない。樹脂加工がうまくいかない場合はすずらんの館長さんにノウハウを教えてもらおうと思っている。
写真：1.クロサワヘリグロハナ 2.奈良子林道入口の看板 3.4.ブドウ枯れ枝にてヒトオビチビニラタを採集。小さいので、示しているところ 5.6.シカの糞（ホヤホヤ）に集まっているセンチコガネを示している光景
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