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マスク着用が3月13日から自主判断となったため、一時的に感染者が増えることが予想された。しかしながら、その時はほとんどの人がマスクを外すことはなかった。私は花粉症なので、いつも5月一杯までマスクを着用している。4月の声を聞いてからぽつぽつとマスクを外した人を見かけるようになった。コロナ感染者の数も3月12日の週からずーっと底が続くのかな(20-30人/10万人当たりの感染者数)と思った。その後、3月26日から前週の同じ曜日を超える日が続き、わずかながらも上昇傾向にあると思った。しかし、第7波の収束から第8波の立ち上がりの時期の底状態(10/9~10/23)での感染者数は140~170人/10万人当たりの感染者数であったので、上昇傾向はマスクを外したことで増えているのだろうと推測した。第7波から第8波にかけてのコロナ株はBA5からその亜種に変わったくらいなので、同じようなことが起きるのではと考えた。いつものように春のコロナが始まっているのかもしれないが、いずれにしてもオミクロン系の変異株の亜種であれば、WHOの判断のように高齢者や持病を持つもの、医療従事者がワクチン接種をすればよいと考えていた。
そこで、最近の東京都保健衛生局のゲノム解析の推移を週別に調べてみた。2月14日(第1週)から3月13日(第4週)までの4週間の亜種を含めてのデータである。一応、4つにタイプ分けし、亜種を含めて積算した。なお、XBBはBA2とBA2.75の組換体である。
①BA2系統:BA2,BA2.12.1、BA2.75、BN1
②BA5系統:BA5,BF7、BQ1、BQ1.1
③XBB系統:XBB,XBB1.5
④組換体:XBB以外
第1週から第2週まではBA5やその亜種が70%以上を示していたが、XBB系統が次第に増加傾向となっている。第4週ではBA5系統にXBB系統が迫る勢いである。3月末のデータではXBB系統が追い抜いていると考えられる。春のコロナはこの系統が流行すると考えられた。組換体であるXBBの感染速度や毒性のデータを読み解いておかないと5月連休中に感染ピークがきたらあわてふためくことになるだろう。
最近のゲノム解析データ。 (%表示)
系統 1W 2W 3W 4W
BA2 20.7 15.5 24 19
BA5 71.7 72.4 55.3 41.1
XBB 6.5 11.7 19.7 37.7
組換体 1 0.3 1.1 2.1
*1W::2/14~20 2W:2/21~27 3W:2/28~3/6
4W:3/7~3/13
画像:1.東京神奈川コロナ感染者の推移(10万人当たり) 2.ゲノム解析による変異株に勢力図
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