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【理事長 明石邦彦のつぶやき】3役面談を終了して |
2023/3/14 |
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昨年12月から続いている職員との面談も2月をもって終了した。じかに職員の意見を聞き、職員から提案された支援策を来期に備えていくつかを取り上げている。「この機会に!」と多くの提言を持ち込む人もいるし、言葉が少なく控えめに自分の主張を述べる人もいる。言葉の少ない方には質問して本音を確かめるようにしている。職員との距離も縮まり、大切な意見交換会である。
今年の印象的に残った話題を紹介したい。上司の部下の育て方に言及しら話題だった。福祉の世界では組織論とか、職員のベクトル合わせとかに慣れていない人が多い。そのため、障害者の支援論ばかりでは人材育成とか、組織の発展にはなかなかつながらないと感じている。日々の支援を通しながら自分はどのように人生を歩むのかの突っ込んだ意見交換は甚だ少ないと思う。この人の発言を聞きながら「理想の上司像はどうあるべきか」を学ぼうとしている人もいるんだと思い、大変興味深い面談であった。
このことに言及した人は大学で心理学を学んだ人である。私は心理学者のアドラーなる人は知らないが、彼は次のような言葉を引用し、リーダー像を示してくれた。
『間違いを指摘せず、原因究明という吊るし上げもせず、「こんなやり方はどうかな?」と提案する。それこそが、相手を育てる有効な方法である』という言葉である。
確かに人を育てる上での適切なアドバイスだと思う。しかしながら、間違いを正さず、原因を究明せずして、気の利いたアドバイスができるのであろうか。組織論に立つとこのやり方だと職員同士のベクトルが合わないように思う。個人に気づかせるには吊るし上げの必要性はないが、間違いが起きた原因とその中の真因を掴んだ解決策でなければよい回答とはならないだろう。人を育てるには時には厳しさというより本質を突いた意見交換が必要ではと思う。(こんなことを書くと我ながらつまらんことを言うなという気もするが。)
さて、アドラーという人はどんな人だろうと興味を持った。オーストリアの精神科医のようだ。アドラーの主張する心理学は「すべてが対人関係の問題」としてとらえている。自らの資源(Resource)や使える力(Strength)をうまく活用すれば解決できるライフタスクと考えているようだ。また、共同体感覚を意識して育成することの重要性を述べている。上司というものは自分の利益のためだけに行動するのではなく、自分の行動がより大きな共同体のためになるように行動することが求められる。そう考えると部下育成の指導方法もおのずと自明のこととなるようである。なんだかわかり切った平凡な答えの様な気もするが・・。
知らないことを教えてくれた人には感謝である。有意義な面談であった。個人が成長するためのヒントを与えてくれる上司は良い組織を作るための必須条件のように思えた。
写真:アルフレッド・アドラー
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