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【理事長 明石邦彦のつぶやき】自閉症の人のこだわり |
2023/3/3 |
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日中事業やGH事業で利用者支援をしてみると自閉症の方にはこだわりのある行動や品物があることに気が付く。昔は「こだわりは取り去るもの」としての考え方が一般的であったが、今は「こだわりを活かしての就労など」で無理にこだわりの解消を求めないことが多い。徹之のような自閉症者にとってこだわりは一種の精神安定剤でもあるので、社会的な批判を浴びなければ許容の範囲として認めるように心がけている。利用者がこのようなこだわりを破棄されたりすると個人による受け止め方は様々だが、憤りやパニックになったり、掴みかかったりされての騒動となる。社会的に問題がなければこだわりを精神安定剤としてみていた方が安定した生活状況を確保できるといえるだろう。
我が家でも徹之がお昼の弁当を持っていくので、弁当係の私が前日から用意したものを中心に温めなおしてお弁当を作る。朝は時間がないので、スクランブルエッグのみ作ることにしている。ご飯がAM5時に出来上がると弁当箱に詰め、主食、副食と区別しながら詰めていく。それが出来上がると野菜サラダの上にマヨネーズとドレッシングをかける。その後はパンと紅茶を用意する。朝食前に洗濯機に入れたタオル類が洗い終わるので、隣の部屋で干せば朝の私の仕事は終了し、自分なりの朝食ができる時間となる。さて、徹之のこだわりは朝作られた弁当の食材量を減らすという儀式である。まず、一回目の量減らしは次のような言葉で始まる。お箸を持ち、「ご飯の量を減らします。おかずの量を減らします。○○を減量します。」と5回ほど呪文を唱えて、用意されたお皿におかずとご飯を移していく。20個くらいを取り終えると一回目の儀式は終了である。大好きな辛子明太子はご飯の上からおかずの方に移動させている。そして、ご飯の上にはふりかけが十分なほど1面にまかれることになる。野菜サラダにはマヨネーズとドレッシングが上にのせられているが、いくつかが取り除かれるので、ぐちゃぐちゃとなる。あまり好きではないミニトマトは一個のまま摘出されることが多い。一回目の儀式(AM6)が終わると自室に引き返し、6:45までくつろいでいる。時間になったらもう一度お弁当に向かい「減量します」と言いながら最後の仕上げを行う。おかげさまで取り皿は満タン状態となる。(なお、取り除いた量があまり多いと奥様のお弁当の品となります。)そして、着替えながらパンと紅茶をとり、出発準備である。7:05で「行ってきます」となる。芸術的?に食材を配置した私の苦労は見る影もなく出発の時を迎える。こんなに減量しておなかが満足するのかと思うこともあるが、徹之にとっては太り過ぎではなく、昔からのスタイルを維持している。どんなものかと考えたりするが本人の意向であるので尊重している。弊害はないので、何十年もこのスタイルである。このパターンを崩されると朝の出発に大きな影響が出るだろうから新たな取り組みはしないことにしている。健康であれば問題ないと思われるからである。なお、取り除く個数が多いので、捨てられることを想定し、1個1個のサイズを小さくし、栄養のバランスを取れるようにしている。
(本日のお弁当メニュー)
主食:ごはん+辛子めんたい 副食1:ステーキ(副菜)、うなぎ、エッグ、ほうれん草+ブロッコリー。 副食2:豆板醤焼肉、ソーセージ、タン 野菜サラダ:レッドオニオン、キュウリ、カイワレ、レッドリーフ、ミニトマト、セロリ、イチゴ+マヨネーズ、ピエトロ。
追加:めんたい移動(好物)、ふりかけ(2種類)追加。
除外:エッグ半分、ステーキ、ウナギ半分、ミニトマト2個、イチゴ半分など
写真:1.用意できました 2.第1回目の選別 3.第2回目の選別をして蓋をする 4.ふりかけ後、醤油さし上にふりかけがのります
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