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【理事長 明石邦彦のつぶやき】チャレンジ賞の表彰 |
2023/1/18 |
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法人では年1回利用者支援で成果があったものをチャレンジ賞として表彰する制度がある。今年で3年目である。今年は6件の応募があり、1月の事業報告会の場で表彰式を行った。あらためて3年間を総括してみた。今年の案件は以前に比べて定性的な記述から緻密な分析を通して定量的に利用者支援が行われるようになったと思う。私は感情面の記述も良いのだが支援の質を高めるには定量的なものの見方が必要と考えている。そのために、自閉症などの特質を知るための研修を実施し、構造化や氷山モデル・ABC分析などを通して問題解決の手法をパターン化するように指導している。また、人それぞれの視点の違いを大切にして全員がベクトル合わせをしながら支援策を考えるようにしている。支援者の考え方は多様であるが、解決の手法を揃えないといつまで経っても、解決案が作成されないことになってしまう。そして、参加するメンバーの視点の違いを議論して、多様なものの見方が定着できるように意識している。読書会の開催も組織としてのベクトル合わせとして使い、何人かがそれを理解して行動できるようにしたら成功である。決して全員が100点満点ではありえないからだ。それぞれの人が自己採点をし、自分の考え方が多少なりと変化し、相手の視点との差異を実感することが重要だと思う。
それでは、本題の今年のチャレンジ賞の内容を取り上げてみよう。
①環境整備によるトイレ立てこもり頻度低減
ある利用者がお菓子作りの失敗などで落ち込むことがあるとトイレに閉じこもる癖がある。その人に対して職員一同でポジティブな言葉かけを行うことと仕事の習熟度が振り返りシートで習熟レベルを判断できるようになった。その結果、本人の意欲向上が図れ、明るく前向きな行動がみられるようになった。
②構造化による効果的な支援と生産性の向上
授産製品の生産性をアップするためにジグの開発に力を注ぎ、100円ショップの製品を活用し、生産性を上げた。工賃アップにつながった。他の職場で活用されるとともに職員の余剰時間を生み出した点は評価できる。
③氷山モデルとグループスーパービジョン(GSV)を意識した取り組みによる利用者の気持ちの切り替え
仕事の意識が薄い利用者に対してGSVで知恵を出し合い、支援した。本人の行動を緻密に解析し、特性を生かした支援に繋げた。家族との情報共有、ボードへの本人の意思表示などを工夫し、仕事に集中できる環境にした。情報のベースがしっかりしているので、多様な支援が可能になった。
④強みに着目した支援によるステップアップ
一般就労意欲が薄れた利用者にもう一度チャレンジする意欲を高め、就労移行の職場に繋げた。工賃が欲しいや社会に役立ちたいなどの本人の意識を活かして支援を続けた。今回は就労のための評価基準などを学んだので、次回は自らの手で就労させたい。
⑤トークンシステムによる出勤率の向上
仕事の意識が薄く、休みがちの人のモチベーションを上げるために工夫した。仕事場の構造化はもとよりトークン的な手法(すごろく方式)で毎日の工賃が記載されていくシステムで、出席率の向上が図れた。本人の特質としてポイント集めやバス停、静かな環境などが好きなので、すごろく方式を考えて支援した。
⑥通院不安軽減のための情報収集・分析による支援方法の改善
通院時のタクシー内での乱暴行為(女性二人で真ん中に利用者)を抑えるために新しい支援方法を検討した。そのため、家庭や通所先などに聞き取り調査した。データの積み上げ(父親には従順)により本人の不安定な状態を把握したうえで横に男性が据わるという支援策を取った。女性ヘルパーは助手席に座り、負担を軽減した。今後は強度行動障害の人のために個人別サポートノートを作り、利用者の特性を掴んでの支援に役立てたい。参考として提出された資料は25ページにわたり、大作であった。
以下のように賞を決定し、表彰した。
最優秀賞(3万円):③、⑥ 優秀賞(1万円):①、②、④ 奨励賞(5千円):⑤
【写真】
左側:シャープペンの芯入れにストローを代用。ストローの土台に紙粘土を使用。芯の仕分けが楽になり、生産性が向上。
右側:毎月の工賃目標額(5000円)を決め、日々の工賃の積み上げがわかるようにし、出席率も向上。この月は6520円を獲得。
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