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【理事長 明石邦彦のつぶやき】異能の出現が待たれる時代 |
2022/8/10 |
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不確実性(予測不能)の時代において求められることは今までと異なった視点から物事を見る目である。どの分野でも思うのだが、異質さ・異様さを感じる考え方、ものの見方の斬新さが新しい局面/展開を形作ると考える。そんなことが将来大きな変化をもたらすとはだれも思わなかったような事態が起こることを意味している。そして、そのおかげで次世代はドラスティックに変わる結果となる。しかしながら、多くの人はその考え方の斬新さに気が付かないで時を過ごすことになる。社会変革は長い潜伏期があって、急激な変化になって現れることが多い。
コロナ発生の最初の時に、ダイヤモンド・プリンセス号での消毒の仕方で一人いちゃもんをつけた人がいた。「この区分け(レッドゾーン、グリーンゾーン)ではコンタミの部分が出てきて感染対策にならない」と岩田教授が改革を求めた。しかし、担当する人たちは「一回見たくらいで何がわかるか」と反発した。そのため、その考え方は取り入れられずに、船全体に感染の拡大を招いた。現場を知らないお役所仕事(机上の感染対策)となり、新しい考え方を導入できなかったことによる大失敗である。また、医療ガバナンス研の上理事長のように最新のコロナ感染予防の考え方で対策を打つべきという人は新型コロナ政府分科会のメンバーにも選ばれず、異見をいう人、煙たい人という認識である。厚労省としては扱いにくいので、群れ(厚労省村?)から外れる人の扱いである。そのために感染症対策専門会議の対策も後手というか、ピント外れになる施策が多いと思う。学閥や医者のエリート意識というのが、散見されて、適切な手が打たれていないことが問題と思う。なんだか利権が渦巻いているようだ。尾身さんや脇田さんの所に政府からコロナ対策として多額の金が流れているのも他の人から見るとおかしなことだ。脇田さんが管轄する国立感染研が最初は「コロナは接触で伝播するので、手洗いやマスク、アルコール洗浄、消毒拭きなどを実施してください。」というばかりで、なかなか空気感染の対策が打ち出されなかった。そのため、外食産業では一般店舗が多大な影響を受け、顰蹙を買ったものである。感染研はまだまだ自説に凝り固まって、空気感染をなかなか認めようとしないのも困りもので、世界の趨勢からは後れを取っている。旧態然とした既存勢力では斬新な策が取れないことに失望を感じる。尾身さんなどは座長という仕事を忘れたように、自助(一般市民が主体的に自分で判断して色々工夫する段階に入った)を盛んに申し立てている。このような体たらくでは「コロナを2類から5類に格下げしろ」、「早く、塩野義の薬を承認しろ」など素人が喧しいのも無理はない。権威の頂点にいる専門家が本来の力を発揮していないからである。専門分野から見た指針作りなのに、政治主導の対策ではなんとも心もとない。ついに倉持院長が「2類や5類」の議論の前に一言言ったことがある。「医療に携わらない門外漢がヘロヘロ出てきて、何もせず、適当なことを言い、・・・」と文句を言っている。あげくは「素人がとやかくいうな。邪魔されて、やるべき仕事が遅くなっている」と言っている。しっかりした人が信念をもって、導かないとモノゴトが解決しないことは明らかである。混迷の時代には異能を大切にしないと壁は破れないということである。科学技術においても斬新な原理・原則は凡人には理解できないものである。非凡の人から見ると異才に気づくことがあるだろう。ただその人が自分の出世争いなどを考えずに、自分より大きなことを成し遂げる異能・異才と認識して世の中に押し出してくれることを望む。世の中は既存の壁を打ち壊してくれる人が出現するのを渇望しているのである。
福祉の仕事も異分野から参入した人は新しい視点を持つ人だ。新しい視点が行き詰った世界に風穴を開ける可能性は高い。また、世代もX/Y/Z世代として考え方が変わってきている。3世代は清新な視点で改革すべきことを提案できる人として、重用すべきと考える。選択すべきトップが評価を間違えると組織は前近代的なものとなり、遺物となる。そして、福祉世界は世の中から取り残される斜陽産業の位置づけのままとなるだろう。
まさに天才はどんな環境で、なぜ生まれるのかを研究する必要性が高まる世の中である。
また、異才を認める審美眼も磨く必要性がありそうだ。アインシュタインやエジソンのように独創性を秘める異才と異常(障害)は紙一重の差でもあるようだ。狂気と独創性には密なる関係があるものだ。
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