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【理事長 明石邦彦のつぶやき】3度目の正直 |
2022/5/30 |
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今年も昆虫採集は3回目だ。4月30日が今年の開始日だった。もちろん山はまだ芽吹いていない状況だから偵察を兼ねている。今年はどこで伐採しているか、立ち枯れはどこにあるかを見るためでもある。前2回はともに寒さと雨にたたられた。そのため、富士山の景色がどうなっているのかが話題であった。いずれも1600m位では富士が見えるまでの晴れ間の瞬間の写真である。虫取りは低山地のカエデが咲くところで採集が中心であった。
さて、すずらん昆虫館の澤井館長からアドバイスで「クロサワヘリグロハナは大峠がよい、今年(2020年)は当たり年(2年に1度)ではないので、来年がよい」と教えられた。21年度は1000m付近のウツギの花を中心に狙ったが、空振りであった。今年の2回目の採集では午前中雨で、温度も低く、虫は飛びそうもない。今年は当たり年ではないので、無理かと思い、松姫峠のカエデの状態はどうか等と諦めての調査を中心とした。5月28日に3回目の採集会となったが、低山地の大志戸林道(800m)を探ることにした。ペンションすずらんに向かうところ(大菩薩初鹿野線)の竜門峡を左に向かう道である。クロサワヘリグロカミキリのホストであるニセアカシヤの花が満開であり、ニセアカシヤが伐採された所もある。近くの花でクロニセリンゴを採集した。新しい道で期待感にあふれたが、途中で山崩れの土砂がたまっており、車での通過は不可となった。急ぎ、嵯峨塩深沢林道に向かい、ヒメウツギの花を探した。花の数が少ないので、カミキリムシはいなかった。そして、すずらんでの昼食となった。女将さんや館長さんといつものご挨拶をした後、「今年は花が少ないので、大峠に向かいます」と話をした。大峠はヒメウツギやガクアジサイの花は道路わきに咲いているが、何せカミキリの数が少ない。峠の頂上まで様子を見ながら花を探したのだが、ナナカマドの花でも虫が少ない。峠でUターンをし、ゆっくりと花を探した。ミズキの花が咲いているところで、運転している人が「虫が飛んでいるようだ」と停車した。そこは花の数が少ないので、登りの時に見送ったところだった。4つほどが咲いている。じっと目を凝らしてみているとピドニアらしき茶色の虫が飛んでいる。ピドニアにしては大きいなと思った。花にとまったので、慎重を期して私がネットで掬うことにした。掬い上げてみると小さなハナカミキリが2頭いることがわかり、それがクロサワヘリグロハナであることがわかった。念願のカミキリであった。すぐに毒瓶に放り込んで、4人で大はしゃぎである。その後、もう少し下ったところで飛んでいる1頭が採集された。みんな興奮していたので、写真に撮るのも忘れて大盛り上がりである。
このカミキリの特性として朝や夕、ひっそりと訪花する性質がある。他のカミキリとの競合は避けているようだ。また、川沿いの花に集まるとの情報もある。我々の採集行は朝早く着く(午前7:30)ために気温が低い。夕方は昼間の熱気が残っているので、飛び回っているのではと考えられたので、最初の採集地を大峠から嵯峨塩と逆にすることにした。以前から朝早く飛んで花を訪れることは少ないのではと思っていた。ただ、昼過ぎから大峠に回ると帰宅時間が遅くなり。車の渋滞も多そうだ。ペンションすずらんでの昼食後、帰宅が遅くなるのも覚悟して大峠行を決断したことがヒットにつながったのだと思う。そう思うと朝早くこの虫が採集されるというのは夕方から次の朝まで花に居座っているのではと思った。夕方、活発に動くのがこの虫の習性ではと考える。ご指導いただいた澤井館長には一報入れるとともに、お礼の焼き菓子を届けよう。
帰宅後、兄が55年ほど前に嵯峨塩のノリウツギの花でとったことが思い出された。兄は3頭とったことを自慢げに話していた。いつか採りたいなと思っていたのがようやく実現した。でも、なんだか小さい(15mm位)ので、拍子抜けした。写真の橙色よりも肌色に近いので、なんとなく清楚な虫だなと思った。習性がわかるとこれからはしばしばお目見えできるのではないかと思う。
5月28日の採集:クロサワ以外
キモンハナ、オオマルクビヒラタ、ヒメマルクビヒラタ、シロトラ、カラカネハナ、チビハナ、クロニセリンゴ、クワサビ、ピドニア数種
1.クロサワヘリグロカミキリ~興奮したので、採集したものではありません。 2.源次郎岳下の公園より見た富士
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