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【理事長 明石邦彦のつぶやき】ウクライナ原発への砲撃について |
2022/3/22 |
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ウクライナの原発が砲撃を受け、ロシア軍に占拠された。電源を断つための占拠だそうだ。また、プーチンは核を使うことも宣言している。このような行為がどのような結果になるかは普通の人なら判断できることである。脅しに使うにしても大国であり、国連の常任理事国が示す識見ではない。独裁者の判断が狂うと核戦争の危険性が高いことが証明された。アメリカの核ボタンは暴発しない仕組みとは違っているようだ。プーチンの取り巻きが彼の暴挙にストップをかけようとすると、粛清にあい、命の危険にさらされると思っているのかもしれない。ラブロフ外相などの幹部は国連総会やトルコでの外相会議でも平気で噓をついているようだ。嘘を言っても動揺しないように訓練されているのであろう。この国には「信」はないと知るべきだ。戦争を終結させるには粘り強く交渉しなければならないだろう。人類を絶滅に導く核戦争だけは何としても避けたいものだ。
いずれにしても、以前から危険に思うことは原発を狙った攻撃である。いくら国連に原発攻撃は不可という規則?があっても、非常時には通用しない。攻撃により原発の炉心まで被害が及べば一瞬にして死者の続出である。核爆弾を装備しなくても、ピンポイントで狙えるミサイルでの原子炉の破壊となれば、被害は甚大だ。核の汚染によってその付近の土地は永久とは言わないまでのかなりの年月は使えないし、急性の死者数とは別に後遺症での死者数は計り知れない。安倍さんらは先制攻撃などと勇ましいことを言うけれど、お返しのミサイルが飛んでくると原発を守ることができないと知るべきである。攻撃阻止のための先制攻撃といっても無理がある。相手がどこにでもミサイル発射場を持っている限り、日本の原発(33基の内の9基が運転中)を守り通せるはずもない。
日本では原発は大都会に作ってはいけない、過疎地で、生産性の低いところに立地しなければならないような制約があるようだ。いくら過疎地とはいえ、いくつかかが爆破されると10Km四方程度の汚染は当たり前だし、ましてや炉心まで破壊されると永久的に使用不能ではないかと思われる。最悪のケースは日本列島が居住できない島になることも考えられる。
逆、戦争をする側の立場から考えると長距離ミサイルによる原発攻撃は大きな成果をもたらす。私が北朝鮮軍の参謀なら当然考える作戦で、相手の息の根を止めるためにもっとも有効な方法である。福島原発事故のことで、地震の危険性ばかりが強調されても、核を使用するという狂った判断が行われると第3次世界大戦となり、人類滅亡である。
昔、味の素の佐賀工場に勤めていた時、佐賀県唐津市鎮西町の玄海原発を見学する機会があった(S59年ごろ)。佐賀工場は電気使用量が大きかったので、九州電力の顧客のサービスの一貫として原発見学のお誘いがあった。玄海原発はそのとき定期修理中であり、原発の原子炉まで案内するとのことであった。私は興味があったので、工場のお偉方さんのお尻についていくことにした。玄海原発は過疎地の海岸にあり、鎮西町の地域経済を潤していた。原発の排水は海に流れ、排出口付近の排水温度は海水より高いために魚が良く釣れるとのことであった。そこで釣り上げた魚は食べる気がしないけれど・・・。また、見学用に廃熱を利用した温室があり、ミニトマトが大木となり、たくさんの実がたわわにぶら下がっていた。定期修理といいながらも放射線カウンターをつけられたので、よい気分はしなかったことを思い出す。いずれにしても北朝鮮などのミサイル攻撃があると原発は防御のしようもないことは肌身で感じられ、背筋がゾクとする状態である。原発は産業用の電力として当時から必要であったろうが、今現在は廃棄物処理問題のこともあり、存続や建設には無理があると感じている。小泉元首相が原発廃止を唱えるのも、安全神話が嘘だと気づいたからであろう。そのため、原発の償却年月が来ればすぐに廃炉にした方が良いと考えている。
しかし、現在は安全性の基準を満たせば使用期間の延長が認められることになった。早めに再生エネルギーへの転換をしなければと危険だと思う。初期の原発の推進者であれ、チェルノブイリや福島で悲惨さを味わった者であれ、CO2問題の解決策として原発を復活させるのはよくない。原発行政は転換期である。いずれにしても電力会社や経産省の偽りの安全神話に洗脳された人たちもリスクを重視した考え方に転換するときだろう。原発は安いというのも神話で、安全性を考えると高いものにつくことを知るべきだし、専守防衛が先制攻撃に変わったとしても原発は防御する側にとって最大の弱点と知るべきである。
写真 1.玄海原発予定地 2号機建設 3.原子炉 4.建設中(3号機)
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