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【理事長 明石邦彦のつぶやき】またまた統計の改竄が行われていた! 2021/12/27
 国交省での統計データ改竄が明らかになった。よくもまあ改竄事件が続くものだ。赤木事件も財務省の改竄指示が問題だった。国交省の件はなんでも建設工事受注動態統計で、工事の受注実績を2重計上していたとのことである。このデータは建設工事の増減を表し、GDP算出にも影響すると言われている。2013年に発表されたアベノミックスに忖度して、景気が上昇しているように見せかけるために統計データを改竄したのではないかと報道されている。そして、邪なことに2019年に会計検査院がデータは不適切と指摘したのに、正しい統計データと不正な統計データが作られていたとのこと。当然のことながら継続性の観点から正しいデータは葬り去られたことだろう。そういえば、今まで採用していた基準から新しい採用基準で統計データを発表されたりすると継続性のあるものの見方や考え方が適用できず困ったことになったことがある。これは時の政府の指示かもしれないが、意図をもって作られたデータは政府に都合がいいように使われ、整合性のない統計となり、真実とかけ離れた言い分がまかり通ることになる。統計学上では新しい波の影響なのか、それとも政府に都合の良い言い訳なのかを我々自身が見極めることを要求される。甚だ遺憾だ!   
 また、2018年に厚労省が毎月勤労統計を不正操作したことがあったのを思い出した。国民の勤労所得が上がり、好景気が続いているかのような統計であったが、実質の給与はあがらず、トリクルダウンもなかったことも明白である。政権の政策失敗を隠すための手段として統計を書き換えることが常態化すれば国力の低下は違った数字で表れてくるものである。例えばGDPは韓国に抜かれるとか、生産性はG7では最低であるとか。しばらくたってから、国力の低下を初めて知らされるが、国民にはピンと来ていないのが現状であろう。円高を作ってきた時代の我々からすると現在113円/$と自分が第1線の時の80円/$とは何だったのだろうと思ってしまう。
 さて、国交省のデータ改竄はGDP600兆円を謳った安倍官邸に忖度してのデータならば議論にならず、事件化もしないのは不思議なことではない。本来なら会計検査院が不適切と公表した時にマスコミは騒ぎ立てる話だと思うのだが。マスコミは官邸にしっぽを振って、国民に実態を知らせず、まだまだアベノミックス景気が続いているように思わせたのであろう。データも積み上げていくといつかは矛盾が出るものである。経済の実態との乖離が出てくると統計数値が疑わしくなるのは当然である。今頃、エセアベノミクス(粉飾じゃないかな)と言われても後の祭りだ。政府の景気を良く見せたい思惑に沿って、官僚が忖度したと考えるべきだ。おかげさまで当時の国交省の幹部たちは覚えめでたく。昇進したことであろう。なんでも一人は京都府知事とのことで驚いている。
 官僚たちの官邸への忖度が過ぎると日本の国際的な地位の低下をもたらすとなると、官邸による官僚人事権に制約を設けることが必要だ。事務次官程度の選択はよいが何人にも広げすぎるとゴマすり官僚が多くでき、官僚の矜持がなくなることになる。官邸の邪な考えに活を入れる官僚がいてからこそ、お互いに切磋琢磨して国民や国際的地位に貢献する良い政治ができると思っている。きっと他の省庁でも改竄が一杯だと日本の統計に疑いの目を世界は持つだろう。改竄天国なら日本の3流国への転落は早まることだろう。とりわけ中国の統計数値がおかしいとは言えない現状である。
 最後に、赤木さんの裁判が認諾となり、一切の審理が行われなくなるのは大変な憤慨だ。安倍首相の不都合な事実を隠すために裁判を終結させたとみられることは明らかだ。奥様が何度も主人は殺されたと悲憤慷慨されることもよくわかる。鈴木財務大臣が「良く調べられ、説明されている」などの言葉をもって認諾すると述べた。奥様は今までの黒塗りデータでは事実がわからないから真実を知るために開示を求めているのに、何をか況やである。奥様は1億円が欲しいための訴訟ではないと言っているのに。岸田首相には聞く耳を持っていると自画自賛しているようだが、耳を傾けるということは心に問う問題である。
  
写真:1.国土交通省 2.建設工事受注動態統計の2重カウント


 



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