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【理事長 明石邦彦のつぶやき】出てきた日本刀 |
2021/12/17 |
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遺産相続で相談に乗っていた人から日本刀が出てきた話を伺った。どう処理したらよいかとの相談である。なんでもお父さんが昔購入したものとのことである。
物騒な品物の処理というといくつかの身近な経験がある。一つ目は私が小さいころ日本刀を見たのは太田家の倉庫(土蔵ではない)であった。広い倉庫の中には家宝のようなものが納められ、鎧もあった。日本刀の刀身もあったが、軍刀に近く、サビついていた。これらは戦後数年過ぎて、太田家の方で処理されたようである。その時、大黒様と弁天様をいただいた記憶がある。また、二つ目は我が家を立て直すために隣家を壊した際に天井裏からアメリカ軍のピストルが出てきたことがあった。すぐに警察に届け、警察に処理していただいた。借りていた隣家の人からの説明によるとお父さんが英語の先生でアメリカ軍の通訳などもされていたとのこと。どのような理由かはわからないが、軍関係者からいただいたのであろうとされた。不都合なものなので、天井裏に隠されていたのだろうとして一件落着となった。
このような経験から相談者には日本刀を警察にすぐ届けたほうが良いとアドバイスをした。見つけた経過を説明したところ警察もすぐに事情を理解して、どのような刀かを鑑定してくれたようである。早速報告があった。警察の調べでは佐賀藩 鍋島家の刀鍛冶である藤原忠廣の作ということである。70cmくらいの刀身というので、脇差かと思ったが、これくらいの長さは打刀という分類のようだ。打刀とはれっきとした大刀と考える。藤原忠廣は80歳まで長生きしていたので、作品はたくさんあるのであろうが、名が通った作刀家であることが分かった。美術品としての価値もあるようなので、すぐに寄贈とはいかないのではないか。お父さんがこれを購入した経緯はわからないが、もしかしたらどこかに鑑定書があるのではと思ったりする。もし、それがあるのなら刀の価値も判明するので、売却も一方法である。私のような野次馬は「なんでも鑑定団」に出すのも面白いのではと思う。なんでも鑑定団では真贋もはっきりするし、価格などもわかるのではと思ったりした。いずれにしても所有すると刀剣の維持も大変だし、刃物であるから物騒である。最後は刀剣美術商に任せるか、どこかの美術館に寄贈することを考えねばならないだろう。サビも少し出ているということなので磨きにかけると結構な値段を取られるのではと思ったりした。一方、日本刀に美学を感じる方ならば、価値ある美術品と考えるので、拭き紙を口に加え、ぽんぽんを打った後に目の前にかざして刀の刃文を見ながら日本刀の良さを感じるシーンもなかなかのものである。ただ維持管理は大変そうだ。
写真:1.刃文:焼き入れ後、出て来る紋 2.日本刀~打刀 70cm(柄迄入れると95cm)、脇差 50cm 、短刀 30cm
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