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【理事長 明石邦彦のつぶやき】農芸化学の先生は蔵元出身が多い! |
2021/12/15 |
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私は現役を退いてもなお3つの学会(日本農芸化学会、バイオインダストリー協会、日本生物工学会)に入会している。そこでは色々な研究報告や記事が記載されているが、私の関心事は研究機関の長や会社役員の方が記載される巻頭言である。その記載内容を読み解くとその人なりの考え方が記されており、賛同できるものも多い。3つの機関紙の巻頭言を読みながら若い人たちへの箴言として読んでいる。さる11月度の機関紙を見ていたら山田秀明先生の追悼文が掲げられていた。7月の逝去のようである。92歳というご年齢であった。京都大学に在籍しておられるときに先斗町の料亭でお酒を飲んだことが思い出された。先生は酵素で有用物を作る「酵素法」が得意分野であり、研究委託・研究派遣を行っていた関係上のお付き合いであった。先斗町の料亭というとそれなりのお値段である。京都大の教授は有名人であり、また京都大の方々は一流好みであると知った。また、ゴルフがお好な方で、ファンケルクラシックが開催される裾野カンツリー倶楽部でお付き合いしたことも思い出された。ゴルフも大変上手な先生で戦略的な方であった。コースマネジメントが巧みで無理なことはなさらない方でパーとることを基本とするスタイルであった。
一般に農芸化学の先生は発酵(醸造)に詳しく、特に日本酒において造詣が深い先生方が多いなという印象である。当然、農芸化学の先生であるからお酒には含蓄が深く、何度かは酒席でご講釈を拝聴することが多かった様に思う。農芸化学分野では研究テーマが発酵に関連するために知識が積み重なるのであろう。農芸化学の先生にご出身や実家などのお話をお伺いすると日本酒の蔵元の息子さんである場合が多い。家業とする蔵元の技術向上のために研究されているケースもあるようだ。研究室の現在の研究テーマとは別に蔵元の技術継承の責任を負われているためだ。そして、よくよくお聞きすると出身の蔵元は廃業されているケースも多いようである。日本酒の盛衰の歴史とともにあるなと思ったりした。今ではコメを削り香りを重視する吟醸酒などが新たな酒文化を創造しているが、世の中の流れには抗しきれずに、消えていった酒蔵も多い。何人かは家業を継承せずに先生となられたのではと思う。まずは遅まきながらご冥福をお祈りする。
写真:①先斗町 ②ファンケルクラシック開催コース
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