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【理事長 明石邦彦のつぶやき】曼殊沙華 |
2021/10/4 |
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朝の出社や帰宅の途中で、他人の家の庭先の花々が目を引く。秋になると目立つのは赤い彼岸花(マンジュシャゲ)である。葉より先に茎が伸びて先端に赤い花が咲く。家々の菜園ポットにも赤い花が目に付くようになった。特に、彼岸の時期には赤い花が目に付く。最近、彼岸花も赤の色素が抜けた白い花が咲いているのを見かけることがある。花壇では赤と白の花を競合させている景観も目に着く。これは流行りかもしれないと思いながらの覗き見である。
この花の名前は仏教的にはサンスクリット語Manjyusakaから由来しているようだ。マンジュシャゲとは聞こえが良いのだが、寺に持ち込まれた経緯があり、あまり縁起の良い名称はつけられていない。私が聞いている名前は葬式花、墓花、幽霊花、地獄花など不吉な花の印象だ。お彼岸の時期に咲くからそのような名称がつけられるのだろう。
もともと福岡に住んでいたときは街中なので、マンジュシャゲはお寺や墓地に多いように思えた。しかし、佐賀に居住した時には田圃の土手が真っ赤に染まるのを見ることができた。一斉に咲き誇ると赤い棒のように見え、秋の風物詩であった。水田の土手にびっしりと植えられているのは根に毒性のアルカロイドが含まれているからだ。ネズミやモグラが土手に穴をあけるのを防ぐためだ。水田の水が抜けないようにと考えた先人の知恵だ。
最近、花壇で見かける白いマンジュシャゲは赤と白の対比を楽しむために流行りだしたのかとも思われる。調べてみないと分からないがよく言うアルビノタイプではと思う。いずれにしても突然変異である。名前を調べるとシロバナマンジュシャゲというそうだ。現実的には野生にあるのは赤がスタンダードであろう。私にとっては白い花こそがなんだか幽霊花のような感じがする。この花は田んぼの土手では見かけないものである。
先日、大菩薩に行ったときにぶどう畑の石垣の上に赤いマンジュシャゲがびっしりと植えられているのを確認した。水はけがよい扇状地のブドウ栽培にマンジュシャゲは似合わないと思いながらシャインマスカット販売所にたどり着いた。これが25日だ。翌26日訃報がもたらされた。応援している市会議員の奥様が乳がんで亡くなられ、29日がお通夜だそうだ。議員さんはあおぞら共生会の顧問であり、徹之の就職でもお世話になった方だ。妻とともに共生会を代表して出かけた。議員さんは棺の前に立ち、一人一人にご挨拶されていた。体調が万全でないのに3時間もご挨拶される誠実さには頭が下がるものがある。奥様の65才の死は若すぎるのでとても残念だ。奥様が運営されていた地域活動センターはどうなるのか心配だが、議員の精神的な落ち込みも心配だ。棺の前では長話はできないので、法人の方にご挨拶に来られた時に少しお話してみよう。
後日、マンジュシャゲの花ことばの意味を調べたら「悲しい思い出」、「あきらめ」のマイナスイメージだけではなく、「情熱」、「独立」、「再開」というプラスのイメージもあるようだ。サンスクリット語のもともとの意味は「天界に咲く花」だそうだ。何かおめでたい兆しがあると赤い花が天から降ってくるという、仏教の経典からきているとのことだ。何事もプラスサイドで考えよう。明るい笑顔でがん細胞を食べるキラー細胞の活性化を図ることだ。
写真:1.マンジュシャゲ 2.シロバナマンジュシャゲ
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