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【理事長 明石邦彦のつぶやき】3週連続の採集行(大菩薩峠) |
2021/8/11 |
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7月24日から3週連続で大菩薩に出かけることにした。オリンピックが始まり、デルタ株も猛威だが、参加する職員さんは一応2回目のワクチン接種も済み、10日は経っている。また、山の中では人が密とならないので、大丈夫だと思う。ただ、メンバーの一人であるTBさんは未接種である。ペンションすずらんの人に迷惑をかけては申し訳ないので、2回の接種終了までは不参加にしていただくことにした。だが、障害を持つTBさんの接種についてはグループホームの世話人も、家族の方もワクチン接種に乗り気ではないようなので、問題ありと考える。本人にとってデルタ株の蔓延状態では不安だろうと思うのだが。しかし、ワクチン不足のため接種ができないとなると秋のコブ拾い(「コブヤハズカミキリ」)への参加も無理ではないかと思っている。
さて、24日はHYさんが今年初参加なので、7月10日に下見した大菩薩湖の周回コースを中心とした。前回記録したイボタノキでの「クビアカドウガネハナ」の採集が目標である。ところが2週間前まで咲いていたイボタノキの花はいくら探しても見つからず、あきらめることにした。花の命は短いことを実感した。所々でノリウツギやクリの花が咲いているのでそれを掬うことにした。クリの花でHYさんが「ヌバタマハナ」の雄雌を採集した。また、私は親水公園近くのヤマブドウの蔓をタタキ網したところ50年ぶりに「ハセガワトラ」が落ちてきた。2cmくらいで、細身のひげの長いトラカミキリである。今までブドウの枯れ枝は何回も叩いたのだが、一度も落下したことはなかった。ようやく努力が結実した非常に珍しいカミキリである。
ついで、8月1日は洋子と徹之も参加した泊りがある採集行である。ここではノリウツギの花に多くのカミキリが飛来し、たちまち毒瓶がいっぱいになる勢いであった。しかしながら、珍しいのは少なく、「ゴマフキマダラ」2頭が精一杯であった。「トウキョウキモンハナ」、「オオクロ」などがいたが、特筆したものではない。ただ、「ルリボシ」は5頭ほど採れた。相変わらずきれいなカミキリだ。生かして持ち帰り、みんなに見せることにした。ただ、早朝常夜灯の下などで、「ヒゲナガ」3頭をゲットしたのが目立ったくらいであった。日本で一番長いひげを持っている。15cmくらいあるので、大型毒瓶に少しひげをまげて押し込まないと殺すことができないほどである。もちろん歯が大きいので、一匹ずつ処理した。
すずらんの館長さんと話したところ、今年は天候不順で虫の出が良くないとのことであった。今年採取したカミキリの名前を上げると「クビアカドウガネハナ」は採れにくくなった。「ハセガワトラ」は非常に珍しい。「ゴマフキマダラ」は珍しいが、これからだそうだ(秋の昆虫?)。また、逆質問で、昨年「キベリカタビロハナ(通称パキタ)」は何頭とったかを確認された。3頭だと話すと大変驚いておられた。今年はまだとれていないそうだ。7日も出かけるので、パキタが取れれば最高だ。館長の奥様から「館長の所に部屋があるので、取りたい虫があればレクチャーする」とのことであった。私としては昆虫館に大菩薩の地図を作ってもらい、採集された虫のマッピングをすると面白いと思う。その結果、遠くから来た人にも採集のポイントがわかり、感謝されると思う。その結果、虫屋の情報基地ともなるだろう。そのための情報提供なら容易いものだ。その地図を見ながら時期、花などを考えて目的の虫を捕るのが面白いと思う。やはり推理しながら虫を取るのに面白みがあるのでとは思うが。虫屋の皆さんはどう考えておられるのだろう。
7日はメンバー5人で出かけることにした。台風が銚子沖に近づいているので、東京は降ったり、やんだりの状況である。山梨の天気は曇りで午前中が勝負と判断した。今回の初参加はISさんである。また、女性のTYさんも今年は初めての参加だ。しかし、全員ワクチン2回接種の人たちばかりだ。東京を抜け出すと山梨は晴れであった。なんとか午前中は持ちそうだ。早速、親水公園に向けて速度を上げた。皆さんが集合の時に登山靴のゴム底がぱっくり空いたTYさんはコンビニで購入したのであろうテープでしっかり固めていた。このような事態が起こることを想定し、私は薬やテープ、体温計など救急箱をいつも持ってきている。靴の状態を見るとテープだけでは不安だと思われてので、結束バンドの使用を提案した。これはどこかの山番組で知ったので、用意していたものである。早速、お役に立つことになった。しかし、一本では靴にまわり切れなかった。ダメだという話になったが、2本つないで回せばよいのではということを提案した。2本つなぐのに理解が行かず時間はかかったが、4本で2重に巻いて代用することになった。その後、昼過ぎには片方の靴も口が開いたので、応急処置を行った。どちらも同じような靴(テープ+結束バンド)になったので、新様式の靴で、ファッション性にとんだ靴となった。帰りの登戸とまでの電車内で恥ずかしさに耐えきれるのかとニヤリである。次は新しい靴の買い時だねと結論した。
さて、虫の方は遅咲きのミズキの花でSWさんが「カンゾウホソトラ」と「マツシタトラ」を採取した。親水公園ではいつものカミキリを多くとったが、珍しいものはいない。湖畔周りでは初参加のISさんが面白いと言って黙々とカミキリらしきものをとっていた。毒瓶の中を拝見すると「フタコブルリハナ」も混ざっているので、なかなか筋が良いと思われた。やはりノリウツギの花にハナカミキリがぶんぶん飛んでいる姿は面白いと思うのだろう。その後、食事の時間を遅くして「ルリボシ」を取りに行くことにした。源次郎岳の下にある公園の土場を調べたところ、念願の「ルリボシ」をSWさんがようやくゲットした。初めての採集だそうだ。インスタグラムに投稿したら「きれいな虫だわ」という返事が返ってきたとのこと。よかったねSWさん。これからも頑張ってね。食事後、日原林道に出かけたが、激しく雨が降り出したので、ここで打ち切りとし、帰宅した。
今回の採集行では東京でのコロナ感染の爆発があり、地方に出かけるには気が引けた。でも数少ない採集のタイミングを逃すと虫とは出会わないことになる。そこで他人に迷惑をかけないようにワクチン接種2回目の人だけに参加してもらった。もちろんマスクは必須である。一度山梨ナンバーの人から「ワクチンを打ちましたか」という質問がなされたが、「2回打っています」との返事をしたそうだ。質問者の方はマスクをしていなかったので、気にはなった。私たちはマスクをしているので、大丈夫だろう。また、「3週連続で虫を取っていると花の盛りも違うし、虫の種類も違ってきますね」とSGさんが話をしてくれた。自然と虫に対する感覚が研ぎ澄まされてきたように思え、皆さんが成長していると感じた。
※「 」はカミキリの名称
写真1.ハセガワトラカミキリ 2.ヒゲナガカミキリ 3.インスタグラム投稿のルリボシ
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