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【理事長 明石邦彦のつぶやき】アメリカ大統領選 |
2020/11/18 |
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11月3日が投票日だったアメリカ大統領選はデッドヒートとなった。選挙前はバイデン候補が有利とメディアは伝えていたが、いざ開票を迎えたらトランプ大統領が優勢の報道となった。選挙は水物と言っているがまさにその通りである。アメリカの選挙人の獲得についてはさながらゲームのようである。選挙制度として本当に国民の意思が反映されているとは考えづらい。前回のヒラリー・クリントンの落選が象徴的であった。特に、総取り方式は考えものと思う(一部メーン州が違うようだ)。初めの開票結果速報ではトランプが有利であるように報道がなされたので、私はトランプ大統領の再選では虚偽や誤解を招く発言が横行し、今後の4年間でまたまた民主主義が破壊されるのかとがっかりした。トランプ優勢のコメント欄を読むと「隠れトランプで、勝利だ」などが書き込まれているし、「メディアの読みが違っていた」と囃し立てている。4日の夕方はバイデン候補が負けたと思い、暗たんたる気分になって眠った。しかしながら、次の日の朝からバイデン有利となっているのには「あんぐり」である。今回、郵便投票が行われたのが逆転の原因であろう。先に投票する人はトランプのフェイクニュースには嫌悪感を持っていただろうし、投票当日はヒートアップした人たちとの騒動も考えられるので、バイデン候補に決めたと早目の意思決定を行い、郵便投票を選択したものと思われる。このような背景があればこそ郵便投票でバイデン票が伸びるはずだ。今回の選挙は以前オバマ大統領が獲得した票を上回り、2人とも7000万票以上の国民の意思が反映される結果となった。多くの声が反映された選挙である。トランプ大統領に投票をした人への配慮は大変だろうが、バイデン候補の中道寄りの考え方が米国の分断の修復に役立ってくれればと思う。そして、直ちにコロナ対策を行うとともに、経済政策をしっかりしたものにしてほしい。米国はこれからも自由世界のリーダーであり続け、世界の人々の模範になるべく行動してほしい。いずれにしても学術会議などで論理のなさを露呈している菅政権にはしっかりしたバイデン対応を考えてほしい。右も左もしっかり見極めて自信をもって自分の意見が言えるようにしなければならない。首相が明快な論理で日米交渉に当たらなければ自滅することになるだろう。最近、強烈にものをいう人たちが頂点に立つ傾向が強いが、そのような人たちばかりではどこかでぶつかり合い、激しい争いになる時代が来ると危惧する次第である。もう少し柔軟に考えることが必要だ。トランプ支持者を見ていると絶対の正義なんておかしなものだと思われてならない。「真実はどこにある」である。グレタ風に「落ち着けトランプ族。冷静に。」が思考の転換に必要なキーワードだ。
写真:バイデン候補の勝利
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