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【理事長 明石邦彦のつぶやき】無症状者の扱いについて |
2020/9/17 |
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同居している兄がコロナを発症したことは前回で報告した。弟さんは当然ことながら濃厚接触者となるので、保健所にPCR検査を要請したが、平熱であることを理由に後回しの状態が続いた。保健所は症状のある人を優先したことはわかるが、こちらはGH利用者及び職員が感染しては一大事である。放置したせいでクラスターが発生しては法人の事業全体に与える影響が大きいので、何とかしてほしいと思った。
本人のアピール度が弱いのか検査の順番がなかなか回ってこない。保健所で午前中には検査が受けられるという話であっても、症状のない人は後回しにするようだと窺い知れた。埒が明かないと感じた事業責任者は保健所にホームの事情を訴えて、ようやく3日目に検査を受けることができた。保健所のPCR検査の考え方は厚労省の出したガイドラインのままだ。相も変わらずのお役所仕事である。これでは、安倍首相が言ったPCR検査数2万件越えは無理な話である。
味の素時代には研究室でPCR技術を使い、遺伝子マップ作り、有用遺伝子の組み込みなどは自由に行われていた。研究所や大学病院でPCR検査を実施するとすぐに検査件数など上がるものと思われるのに・・だ。しかし、厚労省の検査が感染研、保健所・地方衛生研究所でコントロールされるとなると数は上がることは不可能であり、感染症法に則り、感染研などの団体が行政検査を独占することになったようだ。これでは保健所は能力オーバーで、検査数拡大はできない算段だ。また、検査を絞ることは入院先のベッド数満杯を防ぐために有効だとでも言われたら何のための感染防止かと思ってしまう。基本的には検査をしないと感染症は収まるはずはない。このような背景のもとで厚労省はクラスターさえ見つければ何とかなるという方策で臨んだが、見事に失敗した。安部首相や麻生大臣が日本の感染防止策を自慢げに話をしたことは欧米からみれば不思議に映り、その後の感染者増大を見た欧米の人たちは案の定馬鹿なことを言うトップだなと思われたことだろう。科学的な事実に基づかないで判断すると「道を誤る」の例えである。
さて、コロナを抑えきれない理由は感染した無症状の人がいて、感染を拡大させている状況に対応しないからだ。検査対象が海外からの帰国者や濃厚接触者に限定し、症状が出ない人を検査漏れにしたのが大きいと考える。今回も濃厚接触者であるのに、体温が上がっていないという理由で検査の順番が遅れることは問題である。また、発症した患者が入院10日ほどで「検査なし」で退院するのも考えものである。感染後、コロナ遺伝子の残骸が残っているために検査すると陽性になり、お金の無駄だという人がいるようだが、本当に大丈夫かである。退院する患者には「陰性です」とお墨付きを持たせて解放してほしいものだ。
最後に、重篤者用ベッド数の不足でPCR検査を抑え、無症状者を放置したことが現在の状況であるとしたら、クラスター発生や感染経路不明は人災と言ってもよい。感染症対策専門会議も衣替えし、有識者会議になったが、政府の言いなりの会議などをしても真に解決には向かわない。政府の思惑に沿って意見を述べる人たちでのメンバー構成は昔と変わらぬ手法であると。少数の人の意見(違った視点でのものの見方)を大切にする世の中であってほしいものだ。
写真:有識者会議って?
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