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あおぞらブログ


【理事長 明石邦彦のつぶやき】コロナではなかった 2020/4/13
 4月3日金曜日の夜、突然玄関のブザーがなった。8時過ぎで、くつろいで「そろそろお酒を!」という時間帯である。あわてて玄関に出てみるとGHの夜間支援員の方からの救援依頼である。「階下のGHの利用者が40℃の高熱を発し、危険なので、手伝ってほしい」とのことである。私はTシャツ、短パン姿だったので、支援しやすい服装に着替えて、また、マスクをつけて階下の部屋に踏み込んだ。3日前の往診では白血球の増加とCRP(C-リアクティブプロテイン)の結果から「膀胱炎でしょう」とかかりつけ医の診断がなされていた。利用者は尿が出にくいので、カテーテルを取り付けてある。利用者はそれが嫌で時々引き抜こうとしたりするので、そこからの雑菌汚染ではと私は今回の病気を推察した。私の経験では抗生物質投与ですぐに熱などは下がるのにと思っていたが、4日も高熱が続くとコロナの疑いもある。そのため、夜通し不安を抱えて利用者に寄り添うよりは早目に病院に搬送すべしと考え、利用者の容態を看ることにした。利用者は長袖のアンダーシャツとパンツで布団の上に寝ていた。汗をかき、苦しそうである。毛布にくるまれていたからであろう、汗がびっしょりである。まず、下着とシャツを取り換えるので、2人がかりで取り掛かった。汗でシャツが体に張り付き、頭と腕がなかなか抜けない。少し強引だったかもしれないが、無事に脱がせることができた。カテーテルと小水袋が付いているので、下着の着替えはやりにくかったが、何とかクリヤーできた。体温をもう一度計ってみると39.8℃であり、夕方に飲んだ解熱剤も効いていないようである。さらに、二人がかりで栄養剤を飲ませようとなり、解熱剤を溶かした濃厚食材を吸い飲み(薬飲み水差し)で飲んでいただいた。むせぶとまずいので、利用者の顔色や息遣いに配慮しながらゆっくりと口に注いだ。ようやく50ml位を飲み終わった。また、解熱のために水分も必要と考え、お茶を差し上げた。なお、毛布では汗を吸わないので、綿製のタオルケットやバスタオルを取りに家に戻り、持ってきた。それらをきせて仮眠していただいた。熱が下がり、無事に過ごせればいいなと思ったが、相変わらず熱は高かそうである。そこで、サビ管に連絡し、来てもらうことにした。医者の往診や救急車のことなどを考えていたら、小さな音がしたが、別に気にせずにいた。その後、サビ管が到着したら、「なんだか臭いがするよ」という話になり、タオルケットを取り払うと、大をおもらしされていた。今度は本人もベッドも清潔にしなければということになり、ペーパータオルなどで拭いたが、量が量だけにふき取るタオルや紙が足りなくなった。自分の部屋から雑巾にしようと洗濯していた40-50枚のタオルととってきて、利用者の体をすべて拭きあげた。3人で色々と相談した結果、解熱剤を飲んでも熱が下がらないこと、意識もはっきりしなくなっていることなどから救急車を手配した方が良いと判断し、かかりつけ医に現状を報告して、救急車を手配した。到着した救急隊員に経緯を話して、薬や記録、保険証などをひとまとめにしてあるバックをサビ管がもって、夜の11時に搬送となった。かかりつけ医の方からは病院あてに最新の診断データを送っていただいた。救急隊ではコロナの感染の可能性を懸念し、重篤患者として市立病院を手配していただいた。病院側はそれなりの重装備で対応してくれた。病院での診察の結果、発熱・炎症の原因は尿路管結石と判明し、緊急手術となった。親族の許可が必要なので、実のお兄様の許可を取り付けたとのことである。搬送が遅れていたら危なかったとの話であった。それにしても結石による発熱とは意外であった。なお、結石が尿路管を通過する時の痛さは尋常ではない。私はその痛さを経験しているので、利用者はよく我慢してくれたなと思った。かかりつけ医による前回の超音波検査で、膀胱のもう少し上を見ていたら石が見つかっていたのではと思った。それにしても利用者が無事でよかった。1週間にわたり、体力回復のための入院が続く。実のお兄様は高齢であるし、遠方のこともあり、あらためて後見人の必要性を感じた事件であった。

写真:尿路管結石


 



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