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【理事長 明石邦彦のつぶやき】パンデミックな事態に |
2020/2/20 |
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ダイヤモンドプリンセス号からの下船が始まった。心配していたように船内から爆発的と言っていいだろう罹患者数が発表された。陽性反応を示す乗客たちが542名という大人数で、検査した2404人中、2割を超える罹患であるという事実が公表された。あっという間の広がりである。そうなると今陰性であっても14日後に発生する懸念があるのを知りながらの開放となる。国会での質問に答えていた加藤大臣は開放の基準がわかっているのかなと思う。人が持ち運びする持ち物だって、ウイルスは付着しているだろう。下船した人に「出歩かないで。様子は聞きますから。」では国民は不安である。持ち物を含めて接触する危険性はある。今回の指針作成に当たり専門家はどのように考えて、決めたのだろうか。首相や加藤大臣のような素人が出てきても説得力はない。やっているフリだから悲壮感、責任感もないと思われる。「下の人たちがやる仕事」では水際対策と同じ轍を踏む。専門家で修羅場を潜り抜けてきた人の一家言が局面を変えるものだ。残念ながら国立研究所はしかるべき人の経験が足りなかったのではと思ってしまう。予算を大幅に削られていた研究所だから意気が上がらないのもムベナルカである。インバウンドの時代だから、この手のリスクは増えることが考えられ、日頃の積み重ねがなおざりにされていたのだろう。基礎研究を削ってきた政権がもたらした結果ともいえる。いわんや不倫を揶揄される内閣審議官が説明に当たっている様を見ると何とも嘆かわしい。誰かが言っていたように「ウイルスは忖度してくれない」である。これからは自衛しなければいつ感染するかわからない。中国からのお客様を受け入れていた事実があるのだから国内には隠れた感染者がいるに違いないと思って対応することが重要だ。
さりとて、返すがえすも悔しいのはキット開発をすぐに民間と一緒にやらなかったことだ。官の研究所ではスピード感が違うのである。迅速な対応の結果として、3700人全員の検査なんてすぐに済み、少人数の小分けができたのにと思うと無性に腹が立つ。検査キット開発と実証には大したお金(億単位だと思うが)はかからないものだと思う。ケチってはだめの典型である。今回のクルーズ船対応は全世界からも非難を浴びることだろう。閉鎖空間に閉じ込めて14日間も待たされると感染者が増えるのは道理である。初期対応から誤ったという反省があってしかるべきだろう。安易に問題を解決できると思い、「やっています。やっています。」では・・・。賢くない人の考えることである。
写真:1.下船開始 2.検査 3.検査の流れ PCR法
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