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【理事長 明石邦彦のつぶやき】 統計の信頼性が揺らいでいる時に適切な政策が作れるのか |
2019/2/20 |
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厚労省のデータがまた偽りであったことが発覚し、500億以上の未払いがあることで驚いた。更に、恥の上塗りで、監査を急いだ結果、身内が身内を調査するという第3者の中立的な立場となっていないことが判明した。また、厚労省が監査の筋書きを作っていたことにも批判が出ている。懲りない、信頼できない部署だなという印象である。統計の数字の持つ重要さを理解してもらわないと日本の信用性も揺らぐことになる。
今、法人内で中長期計画を作っているが、事業の数字が事実に基づいていないとピントハズレの戦略となる。取り出された数字はそれほど重要な意味を持つものである。
たまたま厚労省の不正問題で元大臣の田村、長妻両氏が討論をしているTVを拝見した。その中で山井議員が総務省の担当者に質問をしている場面が出てきた。山井議員の質問に対して役人が答えているのを聞いて驚いた。30年の賃金統計の伸びが2.8%となったのは既報である。しかし、その数値は事業所を入れ替えてのデータであるので、元の事業所を対象とすると1.4%となった。答弁した役人が仰るに、「それが実態に近い」という。
「エエー」と耳を疑った。調査対象を変更し、都合の良い数字をとって発表すれば粉飾ではと思う次第である。首相が客観的な事実を知れば政策を変える必要があるのではないかと思われる。首相は賃金統計が1.4%だとすると消費増税や経団連への賃金アップの要請ができるのかと考える。給料アップの実感がない現況では無理筋である。また、統計に対しての不信感とともにアベノミックスの成果だという政府にも信頼を置けない。好景気も長いというが、停滞時期もあり、かつ数字の正確性への疑いも出てきたので、良い実感はしない。給料が上がっていないのも事実であろう。改ざんを含めてデータの信頼性に欠けることがこんなにたくさん出てくると信用失墜である。
統計という仕事は大事なんだが、トップにその認識がないのは困ったものだ。数字の理解もできない人に戦略思考はできないと思う。これでは海千山千の外国のトップと渡り合うには荷が重い。また、いざなみ景気を超えたというけれど景気の長さより実質の伸びの方が大事だよねと思う次第である。
写真:①だまされないための統計の本 ②景気動向
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