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【理事長 明石邦彦のつぶやき】 東京医科大の追加合格について |
2018/11/20 |
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今年と昨年の入試で不正な得点操作がなければ合格ラインに達していた受験生に対して来年の4月の入学を認める救済処置が発表された。対象となる人は101人であり、もちろんのことだが女子は67人の多さである。しかしながら、成績上位の63人を上限とするとのこと。そうなると来年の入試でしわ寄せを受けるのは受験生であり、狭き門となり、より競争率が高まることになる。学校側としては教育の質、または、経営状況を考えるとやむえないことのようにも思う。今回も矢面に立つ林由紀子新学長は謝罪ばかりで大変気の毒である。
そういえば、東京医科大では矢崎義男先生が新理事長になられた。発表があった時「あれーどこかでお聞きした名前だな」と思った。火中の栗を拾う役割をする人は誰だろうと思っていたら、ある会合でご一緒した方だった。矢崎先生は文科省の科学技術・学術審議会のライフサイエンスWGの主査を務められた。私がそのWGの委員になぜ選ばれたか定かではないが、科学技術振興調整費審査部会の会合で、どのようなテーマに科研費を流すかを決める会議であった。主として医学中心のテーマがプレゼンされるが、委員は微生物や植物の研究に従事されている方も多く参加されていて、顔見知りの方も何人かいらっしゃった記憶がある。私は企業の立場からテーマの着眼点や産業化の考え方、特許などの視点で質問をする立場であったように思い、その役割に徹して質問した。主査の矢崎先生は各委員の意見を踏まえながら科研費配分を考えていらっしゃったように思う。その時は1件当たり約2-3億円の科研費が付き、基礎・応用のテーマが選定されたように思う。今から考えるとかなりの額を決める会議だった。
さて、東京医科大の救済策はよそ事のことのように思うが、学長および理事長の方々が一致協力してこの不祥事を乗り越えられることを切に願う次第である。
ところで、入学できない38名の方にはどのような救済処置がなされるのかは明らかでない。受験者にとっては同大学で学べるかどうかが大事ではあるが、学べないとなると心理的な負担をどう考えるのか?また、賠償問題にも言及する必要があろう。なお、不合格とされた受験生の中には新たな道を歩んでいる方も多いことだろう。東京医科大学に執着される方は63人の中に入られたらよいのだろうが、「人間至る所青山あり」である。101名の中には他の医大や他の分野に進まれた方も多いことだろう。むしろ、来年の受験を考えていた人は少ないのではないかと思う。「これも人生!」で今の世界に力を注がれた方が良いのではと思う。親が東京医科大学卒であり、医者という家業を引き継がなければならない人は家族ともども執着はあるのであろうが、それは考え様である。さりながら、今の受験生、特に女性はどのようなスタンスで医者を目指すのか聞いてみたいものだ。このようなことが頭をよぎるのは差別や不正操作を産む引き金になるのだろう。男女の雇用機会均等が進んでいる欧米ではどうしているのだろう。案外なんらかの差をつけているのではなかろうか?私立大学なら許されるようにも思うが。男女格差はないが、ボーダーラインは寄付金次第とかあるのではと思ったりする。
さてさて、私が考えるに医療現場は体力勝負であり、血を見る世界である。解剖実験でカエルの心臓の鼓動を見て以来、私は医者の世界に進むなんて考えもしなかった。「成績優秀だから医者になろう!収入も多そうだから!」では寂しい限りである。適性や興味に基づいた志向が必要に思うのだが・・・。
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