社会福祉法人 あおぞら共生会
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あおぞらブログ


【理事長 明石邦彦のつぶやき】別荘じまい 2018/10/23
 河津にある知人の別荘が今年で閉めることになった。昆虫採集の定宿として利用していたが、今年の採集が最後になった。原因は持ち主の健康状態である。定期健診のCTスキャンの結果を聞きに行ったとき、健診結果には問題がなかった。しかし、最近心臓が苦しい旨医者に伝えると別の診療部門に回され、精密検査を受けることになった。その結果、心筋梗塞であることが判明し、急遽入院してのステント治療となった。そのため、これからは常時別荘に行くことはできないので、別荘を急遽処分することにした。そのため、私の昆虫採集用具を引き取ってほしいとのことである。そこで、昆虫採集の常連たちが集まり、荷物の引き取りとこれまでの感謝を込めてお別れ会を開催することになった。私の妻のスケジュールを考えて、10月7、8日に泊りも兼ねて河津に出かけた。
 車中では別荘での思い出などを語りながら鉢の山経由でのんびりとしたドライブとなった。鉢の山では太陽光発電のパネル前で降り、11月には東電に通電でき、頂上への最短登り口となる駐車場も利用できるなどの話をした。鉢の山を下りる途中に栗の木があり、イガを割って山栗を取り出したり、アケビ探しを行いながら山を下った。オートキャンプ場の広場の前に近づいたときにアケビの実が沢山ぶらさがっている蔓を発見した。20-30個のアケビがたわわに実っている。一部は口が開いて、白い実が見えるものもあった。鳥の好物の果物なのであろう、中身を食べられたものも多く見られた。別荘の主が口を開いていないものや、口を開いたばかりで、まだ鳥が食べていないものを木の上に登って採取した。20個程度採り、いくつかを皆で賞味した。我々の時代は甘いものに飢えていたので、山野に入り、アケビ取りをしたものであるが、若い人には初めての経験のようで恐る恐るの賞味であった。私には何とも言えず上品でさっぱりした甘味である。ただ、種が多いのにはまいってしまった。鉢の山の登山道では毎年いくつかぶら下がっているのを見たことはあるが、この場所のアケビは見事なほど大きなものが沢山ぶら下がっている。早速、法人の職員の方にも味わっていただくために10個ほどを持ち帰ることにした。アケビ採集後、河津の別荘に向かう途中で昼食となった。名物の天城そばをいただき、別荘に到着した。別荘への山道は24号台風のあとであろうクヌギや椎の木の枯れ枝が沢山落ちており、一部は道路わきに積み上げてあった。別荘の駐車場にはたくさんの枝が落ちていたので、スペース確保のため枯れ枝を片づけた。椎の実も風のために殻を被ったまま落ちていた。茶色に熟したものから青いものまであり、風の強さがいかばかりかと慮られた。別荘の中に入ると2週間前に来た人たちが主要なものをお持ち帰りになり、TV等もなかった。TVを見慣れている私たちは今日の夜をどう過ごすのか考えると手持ちぶたさに陥ることになると思われる。暫くして別荘の持ち主が「自分のスマホがない」と騒ぎ始めた。部屋や車を捜したが、見つからない。そこでどこで落としたかが詮議になり、車を止めた場所を色々と考えた。家主の胸のポケットでは落ちやすいことがわかり、激しく動いた場所の特定や置忘れも考えて、落ちている場所を推測した。その結果、鉢の山の山栗の場所とアケビの場所、天城そば屋の店が有力となり、3人で捜しに行くことになった。私は虫の道具の整理やGHのための台所用具などを物色するために残った。1時間ほどで3人は戻ってきた。各所を捜したが、残念ながら見つからなかったとのことだった。夕食は河津の徳造丸で舟盛りを食べることになっていたので、このままでは暗い気分のお別れ会となってしまう。次の日の帰りに捜すことも考えたが、夕食会の雰囲気が暗くなるので、一段落したら再度5人で捜すことにした。見つけることができれば気分良く稲取での食事となる。一番確率が高いアケビの場所を最後にしようと考え、太陽光発電の場所、山栗の場所を捜したが、見つからなかった。最後に有力場所であるアケビの場所を徹底的に捜すことにした。スマホの呼び出し音を頼りに捜したが、音が聞こえず、あきらめ気分となった。その時、虫を見つけることが得意な高橋さんが草の中にすっぽりと隠れていたものを発見した。皆大喜びである。呼び出し音をチェックした所、スマホは鳴らなかった。やはり目で捜すしかなかったのである。これですっきりした気分でお別れ会ができると喜び、稲取に向かい、予約していた舟盛りとなった。夏は伊勢海老が禁漁のために刺身を食べることができなかったが、今回は伊勢海老の刺身と各種の刺身を賞味することになった。夏に比べて、脂がのっているのか、魚や貝の刺身が特別においしく感じられた。食欲をマックス迄あげるために胃薬を飲んで参加した私と皆はパクパクで、短時間での完食となった。最後に出された伊勢海老の味噌汁がうまかったのには感激である。最後の締めとしては最高であった。食事後、売店でイカの塩辛と山椒付けをセットにしたお土産を用意し、別荘に引き上げた。別荘ではTVがないので、会話で盛り上げることにした。持ってきた獺祭の大吟醸を味わいながら思い出を語った。スマホも見つかったので、明るい雰囲気で話が弾んだ、随時温泉を堪能しながら夜更けまで語り合った。勿論、明日持ち帰る品物の吟味をしながらの語らいである。
 次の日は朝7時前から荷物を積み込み、7時15分に別荘を出発した。帰りの渋滞を心配しての早目の帰宅である。天城峠を越え、浄蓮の滝を過ぎたあたりで、別荘の主から「冷蔵庫にしまった徳造丸の土産物を忘れた」との発言があった。ここまで来て「エエー」の話である。でもお土産を別荘に残しておいてもダメなので、急遽引き返すことになった。40分かけて別荘へのトンボ返りとなった。これが原因で、東名で渋滞に巻き込まれたら踏んだり蹴ったりだと思ったが、まだ渋滞の時間には早かったのか12時30分に帰宅できた。夕方の東名は30kmの渋滞と聞いたので、本当に良かった。最後に6年間も別荘での楽しい虫採りの場を提供していただいた家主さんには感謝である。ありがとうございました。

写真:①スマホ ②アケビ ③船盛り(真ん中に伊勢海老) ④味噌汁


   



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