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【理事長 明石邦彦のつぶやき】 パワハラ騒動 |
2018/9/25 |
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スポーツ界では権力を得た者は横柄になり、無理難題を押し付けるドンが誕生する。その後、ドンの過去の行いが問題となり、パワハラ論争になるケースが続いている。昔のように勝利至上主義で根性論や愛の鞭がまかり通った時代ならいざ知らず、今日では暴力は厳禁である。以前、民間会社に勤めていた時は上司の心得として部下に無理を強要しないようにと教育されたものである。パワハラになるような事件を引き起こさないように研修会などで注意喚起されたものだ。我々は時代が変化していることに気付かなければならない。スポーツ界では暴力をふるうことなく、口で諭して、本人に納得させるような指導法の改革が遅れているのだろう。福祉業界でも利用者への人権侵害が取りざたされ、虐待防止と相まってパワハラ防止が大きなテーマとして取り組まれてきた。今では障害者虐待防止法ができ、さらに障害者差別解消法が誕生した。そして、障害者が働きやすいように合理的な配慮がなされた職場環境づくりが求められている。
さて、ハラスメントについては私たちが使う言葉としていくつかの種類がある。私がよく使用するものとしてセクハラ、マタハラ、アカハラ、ドクハラ、モラハラ、カラハラなどがある。このような略称した言葉はいろいろな分野・世界でストレスとなる行為の内容にあった言葉が作り出されており、その数がいくつあるのかは定かではない。
話題をスポーツ界に戻そう。スポーツの世界では今まで抑えられてきたものがバタバタと出てきて世間を騒がせているように感じる。もとはといえばこの世界は体罰でも正当化してきたケースを長く引き継いできた。しかしながら、暴力行為に疑問を抱いてきた選手が監督やコーチのハラスメントとして声高に叫びだしたことに起因するトラブルである。最近の典型的な例としては日大アメフトの宮川選手や女子レスの伊調選手、体操の宮川選手の例がある。しかし、女性の場合は女性コーチの数が不足するために男性コーチが付く場合も多い。この場合、男性コーチへの感情論も見え隠れする。女子体操の宮川選手のような暴力を受けても「指導してほしい」とは錯覚の極みだ。特に宮川選手が中学時代にひっぱたたかれる映像を見ると速水コーチは人を指導する資格はない。11回も暴力行為があるのを考えると情状酌量の余地はなく、永久追放である。よくも謝罪会見ができるなと思うくらいだ。弁護士が宮川選手の状況はストックホルム症候群(*)ではないかと言っているが、早急に精神科を受診されることを勧める。なんだか、障害児が両親から虐待を受けながらも最後は親から離れられない事例と類似していることが思い起こされる。
では、これからの指導者としてどのようなことが要求されているのであろうか。「どんな手段を使っても勝利第一主義」では選手は息苦しくなってしまう。本人も負ける場合があり、そこで何を教え、学び取らせるかである。そこには相手を慮る指導も必要だろう。スポーツバカではいけないと教えるコーチが必要である。知育・徳育の感化を受け、その精神を体得されて、人間的な成長を遂げた人が団体のトップに立ち指導することが必要だ。これからも各種の団体のトップの姿勢が見直されるだろう。ハラスメントのない世界を作るには幼少時からの体育・知育・徳育のバランスの取れた教育改革が求められる。
*ストックホルム症候群:誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人と長い時間を共にすることにより、犯人に過度の連帯感や好意的な感情を抱く現象。
写真:①スポコン ②体罰は暴力
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