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【理事長 明石邦彦のつぶやき】 発達障害は新たな創造性を生み出す特質を持っている(発達障害との診断結果を受けた君に向けて) 2018/8/2
 西鉄バスジャック事件が起きたときに加害者の成績が優秀であるとの報道があった。また、新幹線車内でナタを振るった殺人犯は家族でのまとまりのなさとは別に成績優秀であるという話も伝わってきた。人との関わりにおいて問題がある人は成績至上主義が破綻すると一方的な見方に陥り、正常な判断を逸脱してしまう傾向があるとされがちだ。マスコミは成績優秀で、コミュニケーションに問題がある人はすぐに発達障害と位置付けるが、専門家の判断が必要に思う。成績優秀の中でもオール5の人の事件となると報道はセンセーショナルになると予想される。オール5などは小さな世界の出来事で、たまたまである。違う場所では評価はすぐに変わるという認識を本人とその周り(親・兄弟)が持っていないと間違いが起きやすい。普通、年を取るにつれて、経験する世界が広がってくるとオール5の意味が何だったかがわかるときが来る。その時に自分でどう判断し、歩むべき方向をどう決めるかが本当の人間としての成長の証であろう。
 かくいう私も中学ではオール5の時代があった。しかし、すべてに優れているという感覚は持ち合わせなかった。ある狭い範囲内での正規分布で作られる相対評価の世界であると理解しないと自分を間違えてしまう。よく考えれば同じ5でも少なからず差異はあるものだ。上には上がいるという認識を持つことが必要だ。大人になり、だんだんと世界が広がるにつれて、自分より優れた人がいかに多いかと気が付くようになる。自分が学年トップから落ちて2位になったら「もう駄目だ」とかやけくその気持ちにならないことだ。狭い、狭い世界での出来事である。だから、いつまでもトップではいられないという現実を早めに知ることだ。順位が落ちたことを悔しく思い、他人に自分の憤りの矛先を向けても所詮小さな世界の中の己である。まず、人はスーパーマンではないという基本的な自覚が必要だ。自分が優れているという優生思想ではいつかは曲がり角が来るものだ。その時の心の準備ができているかどうかで多様な価値観を認め、他人の存在を受け入れる世界を構築できるかの境目となる。
 自分はASD*の傾向があるので、一芸に秀でてさえいいのではと思っていた。また、自分がたくさんの素晴らしいことをできると思わなかった。一つでも自分を誉めることがあれば十分である。いろいろな体験をし、学習してこそ人生の幅が広がり、豊かなものとなる。いくつかの経験を通して新たな智慧を作り出していく人こそ本当に創造性に長けた人である。頭の良さは創造性の点で評価すべきもので、答えがわかっている受験競争の勝者が独創性に長けているとは言えないものだ。注意欠陥障害のエジソン、脳障害のアインシュタイン、アスペルガー症候群のベルなど、天才の並外れた集中力が世の中の進歩に貢献した例は枚挙にいとまがない。芸術家にもこの範疇の人が多いことだろう。落ちこぼれ、他人の心がわからない等、奇癖の数の多さは違った視点から物事を見ることができ、凡人では考えが及ばない大きな発明や発見につながることが多いのである。まさに狂気と創造性の世界である。ASDの人でも小さな経験を積み重ねると次第に適応できるものである。人との関係にはなかなか慣れないものだが、一芸に秀でてくる(世の中の役に立つという認識)とその人は尊敬され、大切にされる。まずは、自分がどれだけやれるかわからないだろうが身近な所に解を求めていくことこそ大事と思う。悲観して、心を病まないようにしなければならない。打開できずに参ってしまうとただの病人である。
ASD*:Autism Spectrum Disorder 自閉症スペクトラム障害

写真:①成績  ②③正規分布の意味  ④⑤⑥障害と才能【④エジソン(注意欠陥)・⑤アインシュタイン(脳障害)・⑥グラハム・ベル(アスペルガー症候群)】





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