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【理事長 明石邦彦のつぶやき】アルコール中毒からの卒業(高橋さんは偉い!)③ |
2018/7/6 |
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ペンションすずらんでの夜の採集時に足元がおぼつかない人が現れた。高橋さんもお話をしたらしく、彼がカミキリムシを採集していることを言うと素人と思われたのか知らないが、「私がカミキリです!」とふざけられたそうである。酔ってのことかもしれないが、アルコール中毒を克服した彼から見ればどのように映ったことであろうか。寒い中、私はカミキリをあきらめて「蛾の採集方法にも色々あるものだな」と思い、4分割された布のアーチを眺めていたらフラフラとその人が近づいてきた。「どんなものを採集しているのか」と聞かれたので、「カミキリ専門です」と答えたら、「自分は40年もやっている」とのことであった。聞き取りにくいながらムシの自慢が始まった。「大菩薩ではこのようなムシが採れる」といくつかの例を挙げてくれた。「ところで奥日光の大沢はご存知ですか」と問われたので、「知っています」と答えたらギガンティアの話になった。彼の自慢話になる恐れがあったので、「大学時代は九州から関東に遠征し、30日間くらい日光や大菩薩等で採集しました。ギガンティアは毎年40匹ほど採りました。建設平にはハセガワトラカミキリもたくさんいました。こちらに就職したら仕事が忙しいので、60歳過ぎからムシ採りを再開しました。」と答えたら、専門家だと認めてくれたのか色々な情報を教えてくれた。まずは感謝!ヨレヨレしているので、怪我をしたら困ると思っていた所、宿の方が駆けつけて部屋に連れ帰ってくれた。後で宿の方とお話しすると彼はアルコール中毒とのこと。今さっき玄関先で転んだそうだ。そのまま部屋に担ぎ込んで寝かせたとのことである。本当に危ないなあ。この方の様子からアルコール中毒を克服した高橋さんは凄いんだと思った。高橋さんは元アルコール中毒だが、現在は一滴も飲まない。他の人が飲んでいても、コーラか、ウーロン茶などで済ませる。部屋に戻り、高橋さんにどのようにして病を克服したのかを尋ねた。彼いわく「入院も経験し、医者が薦める薬も飲んだが、なかなか克服できなかった。後は自分がしっかりすることだと思い、ひたすら努力して克服した。」とのことである。彼が私の社会福祉法人に所属していた時は昼休みにコンビニで酒を飲んで、ヨレヨレして、困った存在であった。折角就労した会社もそのために辞めざるを得なかった。その後、本人は一念発起し、病を克服した。ただ、舌の回転が悪いので、酔っているのかなと思うときもあるが、シラフである。彼との採集行ではその努力に敬意を払い、私はアルコールを一滴も飲まないようにしている。いずれ機会があればひたすら努力の内容を聞いてみよう。
写真①②③:ギガンティア:オニホソコバネカミキリ(Necydalis gigantea) 擬態!蜂に似てない?
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