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11月、若狭湾から琵琶湖をぬけて伊吹山の麓に至る日本海側の冬の季節風に乗って、既に糸賀一雄記念賞、記念未来賞の授賞式が行われるびわ湖ホール周辺は紅葉が始まっていた。
2日、13時30分から公益法人糸賀一雄記念財団は、第19回同記念賞、記念未来賞の授賞式とシンポジウムを同ホール小ホールで開催した。福祉の仕事に従事している多くの人は、その糸賀一雄の名前と「この子らを世の光に」という言葉に心を揺らされたことがあるのではないか。福祉の世界に「賞」ということがなじむのかどうか疑問に思っている人であっても、糸賀一雄という名前がついた「賞」を受けることは、受賞者にとっても、その周囲で一緒に仕事をしてきた人にとっても、素直に「喜び」が伝播する式であった。
今回、当法人の副理事長で、全国の自閉症児者を育てている家族はもとより、多くの関係者に、希望と自信を分け続けている明石洋子と、その子息である徹之さんが記念賞を受賞し、二人で登壇し、記念スピーチを行った。「本人の思いを育て、思いに添う意思決定支援」を続け、徹之さんが現在川崎市の公務員として、夢見が崎動物公園で働くまでの二人の話はまさに「この子らを世の光に」にふさわしいスピーチだった。
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