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【理事長 明石邦彦のつぶやき】 会議のベテランになるために |
2017/10/6 |
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最後になるが、やみくもに自分の考え方を言うのもよいが、問題の本質をすぐさまにつかみ、新たな対応策を考えられる自分になることも重要になってくる。そのための訓練というか私の経験を述べてみよう。
ある技術会議で上司が言うには「一つの技術報告の発表が終わったら必ず一つ以上は質問すること」という課題をもらった。報告といっても自分の技術分野だけでなく、他の分野もある。そこまでカバーして質問をしなければならないとは酷な話である。
当日は午前と午後に分かれて報告発表があった。発表は15分から20分であるから、相当数の報告に対して質問をしなければならないということである。私は上司の前に座らされた。そして質問係として会議に臨んだ。自分の分野はすぐさま質問はできるが、他の分野は門外漢であるので、なかなかスムースに質問ができない。どんな質問をするか考えていると後ろの上司は鉛筆で私の背中をグリグリと押して質問を要求する。
最初はたどたどしい質問だったかもしれないが、最後の方になると報告の問題点や課題を捜すといくつかの質問ができるようになった。ただ質問を交わすことで、発表者との関係づけもでき、後々の仕事のパートナーとして組めるような関係作りができた。今でもありがたい指導であると上司には感謝している。このような経験を積み重ねることにより対外的な場でも遠慮なく質問できるようになり、課題共有と今後の進め方も議論ができるようになった。これが活かされたのは農水省先端研のテーマ評価会議や文科省の科研費決定のテーマ選定会議などの数多い場での実践に繋がった。あらかじめ発表テーマが送られてきたときとかは十分な下調べをやることは言うまでもない。農芸化学会の大会発表での座長を務めたときは発表テーマごとにいくつかの質問を用意する。質問が途切れた時のために、いくつかの質問を用意しておくのも講演者に対するエチケットである。
結論として、発言の機会を逃しやすく、苦行していた人もまずは冒頭に意見を言い、緊張を軽減していけば、課題を乗り越えていくものである。しかしながら会議への下準備(課題摘出とその対応)はおさおさ怠らないようにしなければならない。出たとこ勝負では自らが日頃何にも考えていないことを露呈するだけである。
写真: 報告会 疑問 挙手
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