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【理事長 明石邦彦のつぶやき】転機にエール |
2016/11/4 |
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田部井淳子さんの訃報に接した時、元NHKアナウンサーの内多さんとの登山紀行が思い出されたことは前述の通りである。そういえば内多さんはどうされているのかなと気になった。今年の3月頃だと思ったが、内多さんから妻に葉書が届いた。妻から「大変だ」とご注進があり、NHK退職を知ることになった。時間がなかったせいだろうか、いかにも走り書きである。文面ではどこかの福祉施設に急に決まったようである。仙台放送局に赴任される前にしばしの別れということで送別会を催した。私は大震災後の東北の福祉とかに焦点を当てた活動にでもなるのかなと思っていた。彼からは家庭の事情もあり、NHKは辞めないとおっしゃっていたので、額面通りの判断をしていた。転進は突然のことであり、驚愕した。そして、自分自身の転身のことが思い出された。私は内多さんの執拗ともいえる出演交渉にあい、自閉症の息子を持っていることを世の中にカミングアウトした年が奇しくも内多さんと同じ53才である。当時はカミングアウトすることはいずれ退社し、新しい展開を考えねばならないなと思った時でもある。経営会議には社会福祉法人の理事長を兼職することの了解を取り付けていたので、決断するのに迷いはそれほどなく、今の仕事は2年で切り上げると心に決めた経緯がある。内多さんの場合も大いに葛藤があったと思うが、まずは新規の仕事にうまく溶け込んでいただければと思った。どこで働いていらっしゃるのかは積極的に知ろうともしなかった。田部井さんの訃報に際してNHK名古屋放送局での登山紀行はどこを縦走したのか気になった。なんだかカタカナ表示の険しい尾根にへばりついていたのを思い出した。それが大キレットやジャンダルムであった。登山初心者には無理だろうし、内多さんはアスリートタイプではないので、体力が続くかを心配したものである。見終わった時に「なーんだ。体力あるじゃん。」と感心した。さて、「内多勝康」をネットで調べてみるとNHKを電撃的にやめ、転進を図ったことが記されていた。どこに就職されたのかなと捜してみると国立成育医療研究センターの「もみじの家」と判明した。ハウスマネジャーという役職をされているようである。事業の中身は医療型短期入所施設となっている。ショートステイで先端医療を実施するのかなと直感した。施設の理念やミッション、コンセプトを読むとなるほどと思った。一般的な表現でわかりやすく書いてある。“その人らしく生きる”を支えるとあり、医療・福祉関係者と本人と家族で新しい支援モデルを作るとある。また、内多さんがNHKで思い通りに行かなかった正義の実現に邁進するという決意めいた自叙伝も掲載されていた。最近の世の中ではおかしなことが蔓延している(嘘をついてもよい。わからなければ。隠ぺいも自在である。)と思っている。私なりには正直者が馬鹿をみるような世の中を望まないので、1人ひとりが世の中に存在する意義を問いたく思う。やまゆり事件のようなことが起きないノーマルな世界作りに共に参画したいものである。内多さんの自叙伝の中に我が家のことが引用されていることは光栄であり、どんなことであれ、新しい価値の創造こそが生きている証であると思う。優生思想を排除するような新概念を組織内で作られることを期待する。
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